フジテレビ商品研究所

商品研究レポート

仕組みの違いで温もり方が変わる⁉

ホットアイマスクを調査〜使いすてと繰り返し使用タイプ〜

 仕事や勉強の合間、自宅でくつろぐひとときに人気のホットアイマスク。温めることで心地よく、構造に工夫を凝らしたさまざまな商品が販売されています。今回は市販のホットアイマスクについて温度変化の傾向を比較してみました。

温める仕組みにメーカーの工夫が

 近頃ではUSB電源を使うものや充電タイプなど温度を自由に調整できる商品もよく知られていますが、比較的手頃な値段で買える電源が要らないタイプに注目しました。
 調査した商品は使いすてタイプと電子レンジで温めて繰り返し使用できるタイプの2種類。メーカーごとに内容物の細かい違いはありますが、両タイプで大きく違うのは温める仕組み。使いすてタイプ(試験品A)は発熱体として鉄粉が使われ、空気中の酸素と鉄粉の化学反応により発熱する仕組みを利用しています。それに対し、繰り返し使用できるタイプ(試験品B、C、D)は、シリカゲルやあずきなどの内容物が空気中の水分を吸収し、電子レンジで加熱することで含んだ水分が水蒸気となり、温かくなります。

 今回は、使いすてタイプが1社、繰り返し使用タイプが3社の計4社のホットアイマスクについて温度変化の傾向を比較しました(表1)。

恒温装置を使った温度測定

 ホットアイマスクについては決められた試験規格がみられなかったため、今回は使いすてかいろのJ I S 規格(JIS S 4100)を参考に、「熱電対」と呼ばれる温度センサーの上に試験品を載せて温度を測定しました。
 まず、約30℃の温水を循環させる恒温装置を使い、試験開始前の測定部分の温度条件が一定になるように調整(28±2℃)。
 装置にはヒトの肌の疑似モデル(ビューラックス社製)を貼り、その上に熱電対を左右に5ヵ所ずつ設置しました。この時試験室の温湿度は22±2℃、60±10%に調整しました(図1)。
 また、測定は各試験品の使用方法に沿って試験品Aは商品を開封後、その他は家庭用電子レンジにて500Wで一定時間加熱してから測定しました。このうち試験品CとDは、安全上、アイマスクの表面温度が上がった際に出る〝キケン〟の文字が消えてから使う仕様のため、文字が消えるまで室温で冷ましてから測定しました(図2)。


図1 循環式恒温装置と試験の様子

表1 試験品


図2 試験品C、Dの試験条件

温度変化にはっきりとした違い

 測定の結果、Aでは約7~8分で最高温度に達した後、20分後までは温度を維持しながらゆるやかに低下していく傾向がみられました。一方、B、C、Dでは約2~3分で最高温度に達した後、急激に温度が下がりはじめ、両タイプの仕組みの違いがよく確認できました(図3)。また、温度分布をみるとCとDでは中心部(熱電対3、8)の温度上昇がその他の部位に比べて小さく、特にDは目のまわり全体ではなく、目元を温める商品特性がみられる結果でした。注1

 

図3 温度変化の様子

温度と心地よさに個人差も

 次に男女各3名・計6名により官能評価を行いました。測定は1日につき1品ずつ行い、時間は15分としました。なお、測定は午後の同時刻に行い、試験室の温湿度は表面温度測定と同様に調整しました。

 男性では最高温度の低いCで心地よく感じたのに対し、女性では温度が高く、持続時間が長いAで心地よいと感じる傾向がみられ、男女の体感温度の違いが目立つ結果となりました。一方、DはAに比べて温度が低く、保持時間も短めですが、男女ともに心地よいと感じる傾向にあり、「目に載せた際の感触がよく、外側からじんわりと温められる感覚が心地よく感じた」との回答が多い結果でした(図4)。目元に熱源を配置した商品構造に加え、小さい粒のあずきが使われているため、目に載せた際の圧力が分散され、肌への感触に影響したのではないかと思われます。心地よさを追求した工夫はメーカーによってさまざま。気分転換にお気に入りの一品を選んでみてはいかがでしょうか。


図4 官能評価


嫌気性食中毒原因菌の増殖抑制効果はなし

 真空パックは減圧することによって食品の保存性を高める利点がありますが、注意しなければならないこともあります。食材に食中毒の原因菌が付着していた場合、今回試験した真空パック器を使ったとしても保存食品中で増殖する可能性があることを注意喚起しておきます。極めて少ない空気濃度で繁殖する偏性嫌気性細菌(ウエルシュ菌、ボツリヌス菌)や通性嫌気性菌(リステリア菌)が存在します。このため、水分を含む食材を保存する際には、パックした袋や容器に保存した日付を書いておくことが賢明です。
 冷蔵保存の場合で、おおむね1週間位を目安に消費すると良いでしょう。

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(2019.10.10 生活科学研究室)

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