フジテレビ商品研究所

商品研究レポート

ホチキスのとじ方の違いによるメリット

ホチキスのとじ方の違いによるメリット

ちょっとした書類をとじるときに利用するホチキス。針の曲げ方が違うものや、最近では針を使わないものもあります。そこで、とじ方の異なるホチキスを集め、保持力と使用感について評価しました。



評価品

表1は試験を行ったホチキスの仕様一覧です。

表1:評価品一覧

評価したのは、A通常タイプ Bとじ裏が平らになるタイプ C穴を開けて織り込むタイプ D圧着タイプです。
Bはとじ裏が平らになるので、とじた書類を山積みにしてもかさばらない利点があります。Cは針を使わず、穴を開けた部分を織り込んでとじ、Dは針を使わず、紙に凹凸をつけることで穴を開けずにとじることができます。

試験方法

まず、一般的なコピー用紙(重量:67g/m2)4枚を束ね、その左上斜め45°で1カ所とじます(写真1)。A、Bは実使用を想定して用紙の角から20㎜の位置で、C、Dはそれぞれの取扱説明に従って用紙挿入口に紙を入れ、奥で当たった位置をとじました。試験機に取り付けるため、とじ個所を頂点とする二等辺三角形になるよう裁断し、これを試験片としました。

写真1  試験片(1カ所とじ)




写真2 試験風景(1カ所とじ)

写真2のように試験片の2枚をめくり、その上下両端を引張試験機(EZ-L(5kN)/株式会社島津製作所)にセットして100mm/分の速度で引っ張り、とじた個所が外れたときの荷重を測定しました。
とじ個所の表裏の影響を少なくするため、試験機の上下に同数の紙をセットする必要があることと、Dのとじ枚数が5枚までであることから、とじ枚数は4枚としました。

次に4枚のコピー用紙の上面を2カ所とじ(写真3)、1カ所とじのときと同様(写真4)に荷重を測定しました。
Dのハリナックスプレスについては3カ所、5カ所と、とじ個所を増やした条件(写真5)でも実施しました。すべての測定は各4回行い、平均値を算出しました。


写真3 試験片(2,3,5カ所とじ)



写真4 試験風景(2,3,5カ所とじ)


写真5 試験片(3,5カ所とじ)


試験結果

保持力の測定結果を表2と図1に示します。

表2:保持力の測定結果


図1 タイプととじ数による保持力の変化


1カ所とじでは針留めをするA、Bが針留めをしないC、Dに比べ明らかに保持力が強い結果でした。針留めのAとBを比べると、1カ所とじではAのほうが保持力はやや強かったのですが、2カ所とじにするとBのほうがAより明らかに強い保持力を示しました。これは針が平らに折り曲げられることによって針と紙の接触面積がAに比べると広く、2カ所とじになることで保持力への影響がより顕著になったためだと考えられます。
Cの保持力は弱く、2カ所とじの場合でもあまり強くなりませんでした。Cはそもそも穴を開けるということと、紙を織り込んでとじる方式のため、保持力は織り込まれた部分の紙の強度にも依存することになります。
Dは2カ所とじになると保持力はかなり強くなり、3カ所でとじるとAの2カ所とじと同等の保持力となりました。5カ所でとじると3カ所とじの2倍近くの保持力となり、針留めをするA、Bの2カ所とじをかなり上回りました。

使用感について表3にまとめます。

表3 使用感評価

針を使用するAとBを比べてみると、Bはとじ裏がフラットになるため、とじた紙束がかさばりませんが、針を取り外す際に後部のリムーバーを引っ掛けにくく、その分わずかにAのほうが外す時間が短くなりました。ただし、A、Bどちらも分別回収の際には針を外す面倒があります。
針を使わないCを配布資料に使用する際は、従来の針留めに比べエコな点をPRできますが、とじ個所が目立ち、穴が開いてしまうため、使用をすることに抵抗感があるかもしれません。ただし、針を使わずに10枚までとじることができるので枚数が多くなりがちな、最終的には捨ててしまうレシートの束をとじたり、工作したりする時などに便利に使えます。
Dは紙束もかさばらず、とじ個所をこするだけで圧着箇所の凹凸が無くなり、簡単にきれいに外すこともできます。とじ枚数は5枚までという制限がありますが、非常に優れたホチキスだと考えられます。
針を使わないC、Dは共通して用紙挿入口が浅いため用紙の端しかとじることができず、A、Bと比べるととじる際に力が必要で、特にDは圧着するためにより強い力を要する欠点もあります。

まとめ

安定した保持力や今まで通りの使い勝手を求めるのであればAまたはBを使うのが良いでしょう。C、Dはちょっとしたものをとじたいときや、針を使用しないので子どものいる家庭では安全です。また、捨てるときに分別する必要もなく、Dはとじ個所が目立たないこともあり、複数個所とじることで強い保持力を発揮できます。
それぞれのタイプの特性を理解し、用途にあったものを選ぶと良いでしょう。

(2015.05.26 生活科学研究室)

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