フジテレビ商品研究所

商品研究レポート

ヒット商品「チェキ」と新しい筆記具

ヒット商品「チェキ」と
新しい筆記具

世界的なヒット商品となったインスタントカメラ「チェキ」の魅力と適した筆記具の性能を調べる

 インスタントカメラ「チェキ」の特徴から世界的にヒットした理由を洗い出し、その理由と関係が深い筆記具の相性を探ってみました。

世界で人気の商品

 「チェキ」は1998年11月に富士写真フイルム(株)(現在の富士フイルム(株))より発売されました。2002年には100万台を売り上げましたが、その後カメラのデジタル化の波に押され売り上げは下火になりました。しかし、ここ数年アジアを中心に売り上げを伸ばし、世界で160万台が販売され、日本でも10〜20代を中心に売り上げを伸ばしています。
 カメラと言えばデジタルが当たり前の時代になぜ「チェキ」がうけているのでしょうか。「チェキ」の特徴からその魅力を探ってみました。

写真1:専用フィルムをカメラに装着し、撮影後、フィルムがそのままプリントになるという商品
写真1 : 専用フィルムをカメラに装着し、撮影後、フィルムがそのままプリントになるという商品

 「チェキ」のフィルムは2種類あり、主流はクレジットカードサイズ(85×54mm)で、アルバムに収納してもコンパクトで、誕生日やイベントなどで家族や仲間同士で見るのにちょうど良い大きさです。また、それまでのインスタント写真は普通の写真に比べ、画質は見劣りするものでしたが、「チェキ」はそこそこの解像度があり、発色が非常に鮮やかになりました。この2つの特徴も大きな魅力ですが、売れた理由は他にあります。

写真2:フィルムは袋状になっていて現像液が封入されている
写真2 : フィルムは袋状になっていて現像液が封入されている

 「チェキ」の最大の魅力は、写真を撮ったら、すぐにみんなで見るというイベント性にあります。
 デジカメでは撮影後にモニターで確認することはできますが、プリントは後からの印刷となり、その時に写った人がみんなで見ることはできません。その点「チェキ」はシャッターを押してプリントができるまで1分程度なので、写った人が全員で写真を楽しむことができ、一つのイベントになります。これが「チェキ」の最大の魅力でしょう。

メッセージが書き込める

 若い世代では「プリクラ」のプリントにメッセージを書き込む習慣が定着しています。「チェキ」のプリントも「プリクラ」と同じような感覚で、メッセージを書き込んで自分のアルバムに保存したり、メモリアルアイテムとして友達に送る人が増えています。
 また「チェキ」のフィルムは現像液をためるために縁の部分が広く写真プリントとしては無駄な部分でしたが、逆にメッセージを書き込むのに都合のよいスペースとして活用されており、今の時代の新しい写真の活用法にマッチしたのも魅力の一つとなっています。
 ただ、字を書くといっても、「チェキ」のプリント面はツルツルで、どんな筆記具でも書き込めるわけではありません。そこで、さまざまな種類の筆記具で、実際に「チェキ」のプリント面に字を書いて書きやすさを比較してみました。

筆記具との相性

 ボールペンは油性、水性、水性ゲルインキのいずれも、画像が表示される画面は滑ってインクが乗りにくく、なかなか字が書けませんでした。縁には文字を書くことは可能でしたが、乾燥後30分放置してから書いた文字を擦ってみると、水性インクは落ちてしまいました。擦っても落ちなかったのは、パイロット「フリクションボール」だけで、ボールペン類は「チェキ」のプリントには向いていないようです。
 一方、サインペンは滑りやすい画面でもインクの乗りがよく、文字を楽に書くことができました。特に三菱鉛筆「ドゥポスカ」、サクラ「フォトペン」、バニーコルアート「キラリーナ・ウインク」は、乾いた後に擦っても落ちませんでした。この3種類は、「ガラスなどにも書くことができる」の表記があり、「チェキ」に適した筆記具と言えるでしょう。
 その他、マーカーはインクが弾かれてしまい、シャープペンは縁に書くことができましたが、画面には滑って書けませんでした。
 「チェキ」に適していた3種のサインペンは、カラーバリエーションも豊富で、写真への書き込みを意識した商品と言えます。特に「ドゥポスカ」「フォトペン」は色が濃く、写真を「飾る」には最適です。最近では、写真用の筆記具は文房具の中で人気となっていて、専用のコーナーを設けている文具店も多く見られます。また、「チェキ」売り場の横に写真用筆記具を置いた店もあり、「チェキ」の人気は写真用筆記具のヒットにも大きく影響しているようです。

写真3:さまざま筆記具で使用テストを行った
写真: さまざま筆記具で使用テストを行った

表:さまざま筆記具で使用テストを行った
表: さまざま筆記具で使用テストを行った

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(2013.12.11 生活科学研究室)

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