フジテレビ商品研究所

商品研究レポート

電子レンジの加熱ムラを検証!

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 「お弁当を温めたときに部分的に温まらない」「冷凍食品を解凍すると部分的に凍ったまま」など、加熱ムラは電子レンジの大きな欠点です。しかし、実際に庫内のどの場所が温まりにくいかというデータはあまり公にはなっていません。そこで、実際に電子レンジの加熱ムラを検証してみました。
特に、機種間で差があるかどうか、底面からの高さで違いがあるかどうかを比較しました。

実験方法

 実験は、透明の卵白が温度を上がると白濁して固まる性質を利用しました。
 レンジ底面と同じ大きさの容器をつくり(写真参照)、実験ごとに卵白1リットルを注いで加熱し、卵白が白く凝固する様子で、加熱ムラが時間経過でどのように変わるか、目に見える形にしました(表のイラスト:黄部分は固まっていない卵白、白い部分が固まった卵白)。

実験対象

実験に使用した電子レンジは、ターンテーブルのないフラットタイプ2機種です。

A メーカー名:シャープ株式会社
型名:RE-SW50-S
最大出力:1000W
庫内寸法:405×315×235mm
B メーカー名:日立アプライアンス株式会社
型名:MRO-CV100
最大出力:700W(マニュアル設定)
庫内寸法:400×322×240mm

 最大出力はAが1000W、Bが700Wと違っていましたが、いずれの機種も最大出力で使用し、加熱ムラの判断がしやすい卵白の凝固面積が50%程度になる加熱時間としました。予備試験の結果、加熱時間は、Aが5分、Bが7分30秒となりました。

また、電子レンジの加熱ムラは底面からの高さによって違うことが予想されます。Aの機種を使って、上段、中段、下段の3箇所の高さで実験を行いました。

実験結果

加熱終了後の写真(5分及び7分半加熱後)を表の右端に示します。また、加熱途中の様子はイラストで示しました。

(1)機種による違い
 機種による違いは、中段位置の加熱の様子を観察しました。
 写真でわかるように、卵白が固まった部分のパターンは、まったく違う形になりました。AもBも同心円状に固まる傾向が見えますが、Bは中心付近がまったく固まっていませんでした。Aも中央奥に固まった場所がありますが、手前側は固まっていませんでした。

表1:電子レンジの加熱の様子・機種による違い

 また、途中経過を見ると、Aで2分後、Bで4分後に右側に一直線状に凝固した部分ができました。つまり2機種ともこの部分の電波が最も強いようです。実験した中段の位置では、中央部分の状態で加熱時間を決めると、左側で熱が加わりすぎる可能性があるわけです。

(2)高さによる違い
 次の表はAの上段、中段、下段の結果です。

表2:電子レンジの加熱の様子・高さによる違い


 最も良く使う下段は、円形に固まりましたが、中段は、下段とはまったく違う形状で、手前と奥に液体のままの部分ができました。上段になると、中央部分はほぼ固まらず、固まった部分が左右に分かれてしまいました。
 通常は、食材は下段の底面に置くので、中央部分においてあげれば問題ないということになります。ただし、背の高いものを暖めるときは、加熱ムラの影響が出やすくなるので、注意する必要があるでしょう。

 このように、電子レンジの加熱ムラは、機種間で違いがあるだけでなく、同じ機体でも底面からの高さでも違いがあることがわかりました。カップケーキや茶碗蒸しなど、背が高く加熱ムラに敏感なものを加熱する場合は、注意が必要になります。

加熱ムラを知る方法

 このタイプの電子レンジの加熱ムラは、卵白を使わなくても、もっと簡単に調べることができます。
まず、中心部と、左右、手前と奥に同じサイズの容器に同量の水を入れて置き、一定時間加熱し、温まり方を比べてみてください。温度が低い場所や極端に高温になった場所を記録しておけば、お菓子作りなど加熱ムラにシビアな調理をする場合役に立つでしょう。
当研究所では引き続き、いろいろな機種の加熱ムラについて調べていきます。

(2013.12.06 生活科学研究室)

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