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研究レポート

外来の新害虫!日本の街路樹を席巻!

外来の新害虫!
日本の街路樹を席巻!

最近の都心のプラタナスの葉が白色化している理由を調べました

 最近、都心の街路樹として広く植えられているプラタナスの葉が白色化していることをご存じでしょうか? これは4年ほど前にいつのまにか侵入した外来昆虫「グンバイムシ科のプラタナスグンバイ(Corythuchaciliata)」の仕業です。

 平成15年(2003年)、「2001年に外国から侵入したプラタナスグンバイによるプタラナスの都下における被害と分布拡大を確認した」と東京都の病害虫防除所が正式に発表しました。筆者は2002年に新宿区内の街路樹で本種を確認し、その後、この害虫の分布拡大について注目して観てきました。東京23区の全てプラタナスが加害を受けているようで、都下の国分寺市、小平市、立川市、東大和市などのプラタナスへの被害が徐々に拡大していることは間違いありません。

 プラタナスグンバイはセミやカメムシと同じ半翅目(カメムシ目)に属し、大きな特長は口器がストロー状をしていることです。“グンバイ”という和名は、相撲の行司がもつ軍配団扇にその形態が似ていることから付けられました。また、英名では翅の形態がレース編みに似ていることから“Lacebug”(レース虫)と呼ばれています。日本に生息する仲間では、ツツジやサツキを加害するツツジグンバイがよく知られています。

グンバイムシ科のプラタナスグンバイ

体長3mm前後の小さな昆虫ですが、卵から孵化した幼虫は4回の脱皮を繰り返して5齢幼虫となり、更に脱皮して成虫となります。日本での詳しい生態は明らかにされていませんが、都心では3〜4世代を経過して成虫で越冬するものと推察されます。幼虫、成虫ともに葉の裏に集団で寄生し、ストロー状の口器で葉液を吸汁加害します。加害された葉の表面には脱色した斑点が現れ、加害が進むと葉全体が白色化してしまいます。吸汁加害を受けた葉はカビ病にもかかりやすくなり、甚大な被害の場合には枯れ落ちてしまいます。

グンバイムシ科のプラタナスグンバイ

 街路樹の殺虫消毒は、様々な問題から避けられているのが現状です。このまま行くと、日本中の全てのプラタナスがこの虫によって席巻される可能性大です!  緑地植栽や屋上緑化の増加、多様な外国産植物の輸入、空輸コンテナの増加、日本の平均気温の上昇など複合的な要因から、外国産の害虫が日本へ侵入する危険性が高まるのではないかと筆者は予想しています。

(2008.8.9 IPM研究室 川上 裕司)

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