エフシージー総合研究所・フジテレビ商品研究所

2008年研究発表

日本衛生動物学会 第60回記念大会

日時と場所: 2008年4月17日〜19日 自治医科大学
発表演題と発表者: タバコシバンムシの体表面に付着する真菌類―特にAspergillus との関係について―
川上 裕司1),2)・中川 淳1),2)・橋本 一浩1),3)・岩野 秀俊2)・内田 明彦3)
1)(株)エフシージー総合研究所 IPM研究室,2)日本大学応用昆虫学研究室,
3)麻布大学医動物学研究室

要旨

演者らは,タバコシバンムシが住環境に極めて普通に生息し,体表面と消化管から病原微生物が分離されることを明らかにした。また,本種から分離された Aspergillus ochraceus は高いochratoxin A産生能を有することも報告している(家屋害虫,1996,1997,1998,2004;衛生動物,2002;マイコトキシン2006)。本大会では,本種の体表面における真菌類胞子の付着率と付着状況について,2006〜2007年に調査した結果について報告する。東京・神奈川・埼玉所在の一般住宅9軒,小学校1校,児童公園5カ所,病院外部1カ所の合計16カ所を調査対象として,ニューセリコ(富士フレーバー社製)を用いて捕獲した。捕獲個体から真菌胞子の付着率を検査し,真菌類の分離・同定を行なった。また,走査形電子顕微鏡を用いて体表面に付着するカビ胞子の付着状況を観察した。更に,本種に人為的にAspergillus胞子を付着させて,24時間後の付着状況を観察した。

真菌の付着率は2006年が70.9%,2007年が78.3%であり,2年間の平均は72.2%であった。真菌類胞子の付着部位は,上唇,大顎,前胸背板,小楯板,前翅,腹部,腿節,脛節であり,ほぼ全身に付着していた。前胸背板と前翅では,胞子が単独で体毛に付着する傾向が認められた。また,前翅の体毛に付着する胞子が「胞子由来の粘着物質」によって固着されており,人為的にAspergillus胞子を付着させた場合には,24時間後には体毛に胞子が固着されることが観察された。以上の結果から,「本種とカビとの間に何らかの意図的な関係がある」と考える。

環境科学研究室では、「ダニ」「カビ」「微小昆虫類」「抗菌性評価」など
室内環境の有害生物の研究・調査に対応いたします。

【室内環境生物分野の試験および研究】
  • 室内環境中で健康被害を及ぼすダニ・微小昆虫類・カビなどの研究
  • 喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルゲンとなる生物の研究
  • 大学や国公立の研究機関との共同研究
  • 空気清浄機の除菌性能評価、抗菌素材の性能評価などの商品実用試験
  • 異物混入検査

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