vol.77 お台場でセミを見つけてみよう
〜自分の目で確かめる身近な環境問題のヒント〜


 当研究所のある東京お台場では、夏になるとたくさんのセミの鳴き声を聞くことができます。生きているセミを捕獲しなくても、鳴いている姿を撮影したり、録音してみたり、脱皮殻を収集することで、「セミの生態調査」ができます。
 最近は、これまでお台場に少なかったクマゼミの生息が確認されています。セミの生態調査を通して温暖化などの地球環境問題を考える機会になり、夏休みの自由研究に最適だと思います。


鳴き声でセミを見つけよう

1)セミの鳴き声を聞いて探そう

 皆さん、セミの鳴き声を聞き分けられますか。
 セミは、種類によって独特の鳴き声があります。なぜでしょう? 実は、セミが鳴くのはオス♂だけ、つまりメス♀を呼び寄せるために鳴いているのです。ミンミンゼミやツクツクボウシのようにまるでメロディーがあるように聞こえる鳴き方もあれば、アブラゼミやクマゼミのように単調な響き渡る音をずっと連続して聞かせるような鳴き声もあります。一般的に多いセミの種類と、鳴き声をまとめてみましたので、参考にしてください。
 まずは、鳴き声を聞いてどんな種類のセミがいるかチェックしてみましょう。


2)脱皮殻を探そう ~羽化前の生きた幼虫を見つけることもある~

 樹上で鳴いている、セミの成虫を捕虫網で捕獲するためには次の3つのテクニックが必要です。①他から飛んできて木に留まった直後(鳴き始め)を狙うこと。②捕虫網はセミの上側からやや下へ向けて被せること。③捕虫網に入ったら(ネッティング)素早く捕虫網の柄を回して逃げないようにすること。

 鳴いているセミを見つけたら、周辺の木の枝、土の上、塀、歩道の縁石、電信柱などに脱皮殻がないかどうか探してみましょう。
 脱皮殻は、一見同じように見えますが、種類によって、大きさや形態にそれぞれ特徴があり(表参照)、脱皮殻を集めて、分類することで、その地域にどんなセミがどのくらいいるのかという生息数を調査することができます。できれば1回だけでなく、1~2週間時間をあけて複数回調査してみてください。種類によって少しづつ鳴く時期が違うこともわかります。

 ときには、脱皮殻だと思って拾ったものが、脱皮直前の終齢幼虫だったりすることもあります。終齢幼虫は、暗くなってから土中からでてくることが多いので、夕暮れ時(日没から1~3時後)に探すと、羽化の瞬間を観察することが出来ます。じっくり観察したい場合には、自宅へ持ち帰り、幼虫がしっかりつかまれる服にたからせて観察しましょう。羽化開始から6~7時間後には乳白色~黄緑色をしていた体色が変化して褐色になります(下記写真参照/筆者が観察したもの)。

アブラゼミの羽化

3)ノートに記録しよう

 セミの鳴き声を聞きわけたり、脱皮殻を集めてみたら、記録に残してみましょう。このまま夏休みの自由研究のリポートにもなります。
 同じ場所で1,2週間おきに調査したり、少し離れた場所で調べるのもお勧めです。自宅そばの公園とお台場で比べてみたら、違いが明らかになるかもしれません。セミの生態調査をしている人はたくさんいます。学校の先生に相談したり、インターネットで調べて、比較してみても面白いでしょう。
 2017年8月、弊社では、お台場でメスのクマゼミを捕獲しています2)。クマゼミは、近年、海岸沿いの都市環境で増加していることが報告されています。セミの生態を調査すると、都市の温暖化との関係など地球環境について考えるきっかけになるかもしれません。

アブラゼミの羽化

アブラゼミの羽化

(2019.7.19)

【参考文献】
1)林正美・税所康正編著(2011)日本産セミ科図鑑~詳細解説,形態・生態写真,鳴き声分析図~.223 pp.誠文堂新光社,東京.
2)川上裕司(2018) 東京お台場地区(江東区青海)で捕獲したクマゼミCryptotympana facialisの記録,都市有害生物管理 Vol. 8,15~19.

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 エフシージー総合研究所では、小学生を対象に「セミの観察レポート」を募集します。夏休みの自由研究課題として、観察した「セミの観察レポート」を募集します。
【賞品】優秀レポート10名様に「オリジナル・クマゼミバッジ」を進呈します。応募者全員に、「オリジナル・クマゼミポストカード」を進呈します。
【応募要領】1.募集期間:8月30日(金)~9月30日(月)2.対象:小学1年~6年生3.書式:A4版サイズの紙(用紙の種類は自由)4.締め切り:8月30日(金)(消印有効)

【募集は終了しました】

IPM研究室