(72)新たな柱の育成 バックアップ

青山商事・広報部部長 磯野猛氏

日本工業新聞社の経済情報紙「フジサンケイ ビジネスアイ」にて、広報部門のエキスパートに取材をしてご紹介しております。

フジサンケイ ビジネスアイ
コーナー 「広報エキスパート」
取材先 青山商事・広報部部長 磯野猛氏
新聞発行日 2018年6月21日(木)掲載

広報のプロに広報戦略を聞く。広報エキスパート

【プロフィル】
磯野猛(いその・たけし)
 1994年青山商事入社。上級店長として東京、埼玉、茨城県内の店長を歴任。2008年広報部。広報課長を経て16年広報部副部長。18年から現職。


─一本足経営からの脱却を
 具体的に青山グループは10年後を見据え、コア事業であるビジネスウェアを更に成長させるとともに、第2、第3の柱となる事業を創造・育成し、グループ全体の売上高4000億円を目指します。その足がかりとなる3カ年計画「CHALLENGEⅡ2020」では、2020年度の連結売上高3000億円が目標。少子高齢化に加え、仕事着のカジュアル化で、スーツマーケットは縮小傾向にありますが、クールビズの提案など社会の動向にいち早く対応してきたこともあり、当社のシェアは確実に増えています。


─第2、第3の柱は
 女性の社会での活躍に伴って16年春、レディス専門店「ホワイト・ザ・スーツカンパニー」を設立し、多くの女性に好評です。レディスは今後3年で、売上350億円を目指します。また12年からは法人事業に取り組み、JALグループやANAグループ、日本郵便などの制服を受注、レストランや病院、工場などのユニホームも手掛けています。標準型学生服の販売も、強化します。現在約1000以上の企業や大学と提携しており、さらなる需要拡大が期待できそうです。


─次世代型店舗も話題です
 ネット時代に対応したサービス提供にも力を入れ、全国約800店舗とオンラインショップを融合させたサービスを拡充。次世代型店舗「デジタル・ラボ」(デジタルとラボラトリーを掛け合わせた造語)のモデル店が3店舗あります。これらの店では、店頭のタブレット端末や大型サイネージから、実店舗の在庫とオンライン上の1000万点以上の商品を選ぶことができます。このような新たな市場や新分野への挑戦ができるのは、2000万人を超える顧客基盤があるからこそと思っています。


─ここ数年でメディアでの露出が増えました
 年間1200件を超える、学校・企業での無料着こなしセミナーの開催人事制度改革に伴う女性活躍の推進や平均5%の賃上げ◇鍵の複製や靴の修理を手掛ける「スターミニット」の買収◇焼肉店や100円ショップとのフランチャイズ契約による多角化戦略-と、発信材料には事欠きません。新聞やテレビでの露出頻度は年間約400件。地方のメディアは100件以上あります。メディアでとりあげてもらうには待ちの姿勢ではダメです。記者の数だけメディアがあると考えています。私を含め、広報部のメンバーが全国のメディアを訪問し、ブラスアルファの情報などを交えて説明させていただいています。


─広報対応の速さには定評があります
 長年、現場にいたので思うのですが、顧客のニーズをつかみ、接客を通じて感動、満足していただくことが現場スタッフの使命です。同様に広報は、メディアのスピード感にマッチした迅速さや、的確で質の高い情報の提供を通じ、メディアの方々に感動、満足していただくことが使命です。
 メディア対応自体が、大事なCSR(企業の社会的責任)活動だとも思っています。広報の可能性は無限ですが、広報担当者の腕次第で結果が大きく変わるシビアな世界。社会の動向やメディアの論調を注視つつ、新しい発想や手法を取り入れていく柔軟性が必要です。会社とともに自身も成長し続けたいと考えています。



(エフシージー総合研究所 山本ヒロ子 2018.7.13更新)