(61)「求心力と遠心力」をモットーに

ニチレイ 広報部長 岸正明氏

日本工業新聞社の経済情報紙「フジサンケイ ビジネスアイ」にて、広報部門のエキスパートに取材をしてご紹介しております。

フジサンケイ ビジネスアイ
コーナー 「広報エキスパート」
取材先 ニチレイ 広報部長 岸正明氏
新聞発行日 2018年1月19日(金)掲載

広報のプロに広報戦略を聞く。広報エキスパート

【プロフィル】
岸正明(きし・まさあき) 
 1990年東京都立大学(現首都大学東京)人文卒、ニチレイ入社。情報システム部、総務部、経理部、広報IR部などを経て2015年から現職。


─2005年に持ち株会社化しました
 旧社名は1945年に設立された日本冷蔵で、85年現社名となりました。現在は持ち株会社のニチレイ、加工食品事業「ニチレイフーズ」、低温物流事業「ニチレイロジグループ」、水産・畜産事業「ニチレイフレッシュ」、バイオサイエンス事業「ニチレイバイオサイエンス」の4つの事業会社からなります。


─「求心力と遠心力」をモットーとしています
 かつて、何とか一枚岩になって事業を発展させようという機運がありましたが、ニチレイグループはもともと、各地にあった製氷会社や冷蔵倉庫、食品工場、海外の物流会社などが段々に集まって形成された会社です。持ち株会社になったときも、トップの「グループとしての求心力と自立的な遠心力のバランス」という方針のもとに事業を展開。持ち株会社となって13年目迎える今もうまく回っています。


─「トラック事前予約システム」が話題になりました
 低温物流業界ではこれまで、物流センターでスムーズな荷降ろしや積み込みができないため、ドライバーが長時間待機・拘束される問題が課題となっていました。こうした中、ニチレイロジグループは昨年10月、「トラック事前予約システム」の運用を始めました。物流センターごとに設定された時間帯別の入出庫可能枠に対して、荷主や運送会社が入出庫の希望時間を予約できるもので、順番確保のための待機が不要になります。地域社会にご迷惑をかけることも少なくなり、先駆的な取り組みとして、メディアで取り上げていただきました。


─持ち株会社の広報体制は
 メンバーは5人です。報道対応とコーポレートブランディングをメインとしています。ニチレイフーズでは、経営企画部広報グループがマーケティング広報をメインに行っています。ニチレイロジグループやニチレイフレッシュにも広報担当がおり、当社は日々、事業会社のイベントの支援など各社と連携を取りながら活動しています。グループ全体のコミュニケーションを活発にすることを目指しています。


─ラジオも活用しています
 ラジオ番組「ショーアップナイター」「オードリーのオールナイトニッポン」の番組提供を行っており、CMの一部で当グループ社員がコミュニケーションメッセージである「おいしい瞬間を届けたい」というそれぞれの思いをメッセージとして放送しています。北海道から沖縄まで地区ごとに、近隣エリアに勤務する社員のメッセージを流すことができ、このあたりは、エリアごとにCMの内容を切り替えられるラジオ広告の特性を活用しています。社員の励みになり、取引先から「CMを聴いたよ」と言われ、商談にも好影響をもたらしているようです。


─今後の課題は
 メディアやコミュニケーションスタイルが変化している今、メディアからの情報を見極めるメディアリテラシーを高めていくことが一層重要になってきています。そのため、人事部門や事業会社の広報部門に協力してもらい、メディアリテラシー講座を実施しました。そこからe-ラーニング教材に発展させ、「新聞の読み方講座」などをテーマに新入社員研修を予定しています。大切なことは従業員一人一人がコミュニケーションの担い手という意識を持つことです。しっかり支援していきたいと思っています。


(エフシージー総合研究所 山本ヒロ子 2018.2.16更新)