研究員オダの環境レポート
Vol.13 お酢の効能について
<2014.07.07 更新>

 7月に入りましたが、九州の一部地域では記録的な大雨を記録し、関東も曇りがちな日が続いています。そのため、洗濯物を室内に干されている方も多いと思います。先日「部屋干しの臭いを抑えるためにお酢を使う」という話題をラジオで耳にしました。早速インターネットで検索してみたところ、お酢の利用は多くのサイトで紹介されていました。そこで今回はお酢の効果についてお話ししていきます。

■ 洗濯時のお酢の効果
 インターネットでは「すすぎ時に少量の酢(大さじ2〜3杯程度)を加えると効果的」との記事が目立ちました。そこで、洗濯の際のお酢の殺菌効果について実験で調べてみました。実際に洗濯機を使って実験するのは難しいため、洗濯物を布片に、洗濯機をビーカーに見立ててお酢を50mlと250ml加えたときにどの程度細菌が死滅するのかテストしてみました。
 その結果、下のグラフのように、洗濯槽にお酢を約50mL(大さじ3〜4杯)と約250mL(瓶半分程度)加えた場合は、お酢を加えない場合と菌数は変わりませんでした。つまり、洗濯時に添加する量のお酢では洗濯物中の細菌を減少させることができませんでした。

お酢の殺菌効果

■ お酢に殺菌効果はあるのか?
 では、昔からの「お酢=殺菌」のイメージは間違いだったのでしょうか。
 そこで、次は酢の効果を調べるために酢飯とただのご飯の細菌数を、調理直後と室温で24時間経過した時点で調査してみました。
 すると、下のグラフのような結果になりました。まず、調理直後は酢飯とご飯に差はありませんでした。しかし、24時間後では、ご飯は多数の細菌が増殖しているのに対して、酢飯の細菌数は調理直後から微増した程度でした。また、24時間後の細菌数の差から、酢飯は細菌の増殖を10万分の1に抑えていました。

ご飯中の細菌数推移

■ お酢は静菌に効果大!
 この2つの実験結果から、お酢は殺菌効果は見られないものの、細菌の増殖を抑える効果「静菌効果」が非常に高いことがわかりました。部屋干しの臭い対策をするのでしたら、お酢ではなく、各洗剤メーカーから販売されている酸素系の漂白剤の方が高い効果が得られると思います。また、お酢の中の糖分やアミノ酸が、細菌やカビの栄養源となり、増殖の手助けになってしまう恐れもありますので、お酢の利用は控えたほうがいいでしょう。
 洗濯物の臭いについいては、洗濯槽の裏側の汚れが洗濯物に移染している可能性がありますので、半年に1度程度は専用のクリーナーを使って洗濯槽の洗浄をするといいでしょう。そしてなによりも、「洗濯物の細菌を殺す」ではなく、サーキュレーターや除湿機で早く洗濯物を乾燥させるなどの「細菌を増やさない」を日ごろから心がけましょう。

 
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このコラムについて エフシージー総合研究所・IPM研究室の活動内容や、研究中の内容をスタッフ目線でレポートした記事です。一般のかた向けに分かりやすく解説しています。
IPM研究室とは エフシージー総合研究所・暮らしの科学部所属。室内環境の有害物質を調査・研究しています。特に「室内環境中で健康被害を及ぼすダニ・微小昆虫類・カビなどの研究」を主仕事としています。
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