(51)食品用ラップの吸着性能

食品の保存や調理など、食品用ラップはキッチンでは必需品のひとつです。このラップの使いやすさの指標の一つに吸着性能があります。

この吸着性は材質によって差があるといわれていますので、材質の違う4種類の食品用ラップを購入し、材質の違いによる吸着性能を調べてみました。購入したのは①ポリ塩化ビニリデン製、②ポリエチレンとポリプロピレンによる5層構造、③塩化ビニル製、④ポリエチレン製で、購入価格は①が少し高めで実売価格が388円、②、③、④は低価格帯の商品でいずれも百円ショップで購入しました。

ラップ一覧

実験はお茶碗のような陶器製の食器をラップで密閉することを想定して、表面が平滑なタイルにラップを貼り付け、引っ張り試験機で引っ張り、剥がれるときの力を測定しました。

引っ張り試験機

測定は5回行い、最大値と最小値を省いた3回の平均値をグラフに示しました。その結果、引っ張り力が最大になったのは①で、①に比べ②は3分の1、③、④は4分の1以下の値になりました。実際には①は5回の測定のすべてで、②と③は3回ラップがタイルから剥がれる前に裂けてしまいました。つまり、この試験条件では①は強度より吸着力の方が強く、②と③は同程度ということになり、①、②、③はラップの強度から考えると吸着性能は十分といえます。特に①は価格が高い分、他の商品に比べ密着力も強度も優れているといえます。

ラップの吸着性能

②、③、④は①に比べよく伸びるのが特徴でした。④の剥がれる過程を観察すると、伸びた端の部分から剥がれていくことがわかりました。④については、この伸びやすさが吸着力を低くしている要因になっているようです。④も③と同程度の吸着力はあるので、お茶碗などの蓋をする場合などは、引っ張らずに蓋になる部分を少したるませて貼り付ければ剥がれずにラップすることができそうです。

価格の高いポリ塩化ビニリデン製は使い勝手も強度も優れているという結果になりましたが、低価格の商品も使い方次第で十分実用性があると思いました。予算に合わせて、いろいろと試してみるのもいいかもしれません。

(2014.04.25)

産経新聞掲載記事『比べる×調べる』
生活科学研究室