(27)柑橘類の皮で油性ヨゴレを落とす!

油性マジックは水性のサインペンに比べ消えにくいのが特徴です。テーブルなどに間違えて書いて、それが乾いてしまうと、住宅用洗剤などを使っても簡単には落ちなくなります。ところが、普段は捨ててしまっている生ゴミの中に、油性マジックの汚れを落とすことができるものがあります。それは、柑橘類(ミカン属)の皮です。

柑橘類の皮をよく見ると、ブツブツしたものが見えます。これは「油胞」といって、中には柑橘類特有の香り成分である「リモネン」を含んだ液体が詰まっています。このリモネンには油脂を溶かす性質があり、台所洗剤などにも利用されています。

そこで、実際に油性マジックのヨゴレを落とすことができるか、木目の化粧合板に、油性マジックで落書きして一晩置いたもので実験してみました。実験はオレンジ、グレープフルーツなど9種類の柑橘類で試してみました。油胞は果皮の表面にしかないため、皮の表面のみを薄くスライスして不織布の排水口用袋に入れて、汚れ部分を擦りました。また、ヨゴレ落ち具合の対照として、布巾でも試してみました。


柑橘類の皮で油性ヨゴレを落としている様子

結果は、布巾で擦ってまったく落ちなかった油性マジックのヨゴレが、ほとんどの柑橘類でキレイに落とすことができました。ただし、温州みかんだけは、落とすのに時間がかかりました。季節や産地にもよるのでしょうが、他の柑橘類に比べ洗浄力は低いようです。

また、一般には落ち難いと思われているクレヨンも試してみました。布巾でもある程度落とせましたが、柑橘類の皮を使うと、一瞬にして簡単に落とすことができました。油性マジックが苦手だった温州みかんも、クレヨンなら即効、直ぐに落ちました。

ヨゴレの落ち具合

実際にヨゴレ落としに使う場合は、果皮面をしっかり汚れ面につけて擦ることがポイントです。擦る前に皮を軽く揉んでおくと、果皮液がよく染み出してくるので、洗浄効果が上がります。また都度、果皮のきれいな面で擦ると汚れ落ちも効率が上がります。なお、作業後はハンドソープなどを使って手を洗ってください。

爽やかな香りとともに、汚れも落とすことができますが、一部のプラスチックを溶かしたり、塗装していない白木や壁紙など、水分を吸う素材では黄色く着色することがあります。また、皮膚につけたまま日光を長時間浴びるとシミになることもあるので注意してください。

(2013.11.1)

産経新聞掲載記事『比べる×調べる』

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