(16)真夏の「低体温症」対策も
 -災害用保温シート-

夏真っ盛りの7月27日、コンサート中のゲリラ豪雨後、気分が悪くなるなどして41人が救急搬送されました。原因の多くは「低体温症」と言われています。この「低体温症」は冬場や登山時などに限られることと思われがちですが、一年中どこでも起こる可能性があります。

そこで、保温アイテムとして最近注目されているのが、ポリエステルフィルムにアルミを蒸着した防災用シートです。そこで、この蒸着シートにどの程度保温効果があるのか実力を試してみました。購入した商品は、厚さが12μm(1μmは1mmの千分の一)と非常に薄く、重さは49g(約213×137cm)で、折りたたむと、12cm角に収まりリュックやバッグに入れてもかさばらない大きさです。

ポリエステルフィルムにアルミを蒸着した防災用シート


実験は、20℃湿度50%の部屋に長袖のTシャツ1枚だけで20分間安静にした後、さらに蒸着シートに包まって20分後の着衣の表面温度をサーモビュアで計測しました。

着衣の表面温度をサーモビュアで計測

室温20℃ではTシャツ1枚では非常に寒く、安静後のサーモビュアの画像は胸の辺りが低温を示す黒、画面中央(みぞおち付近)の実測値は25.7℃でした。蒸着シートに包まってから20分後では、胸が青から緑、一部赤い部分まで出てきて、表面温度が上昇しました。画面中央は31.0℃と5.3℃上昇し、体感的にも暖かく、かなりの保温効果が確認できました。

また、蒸着シートより厚目のゴミ袋と2枚重ねにした新聞紙でも同様の測定をしたところ、ゴミ袋は何もつけない場合とほとんど変わらず、新聞紙はある程度、温かくなりましたが、蒸着シートのようなポカポカ感は感じられませんでした。


蒸着シートが温かいのは、体表面から出る赤外線で逃げていこうとする体の熱を、鏡のようなアルミ蒸着シートが効率よく反射することで、熱が外に逃げるのを防いでくれるためです。このため、商品を選ぶ際は、シートの向こうが透けないアルミの蒸着のしっかりしたもので、体をしっかり包めるよう大き目のサイズを選ぶのもポイントです。


防災用品としてだけではなく、突然の豪雨やスポーツ観戦などの保温対策に、バッグに一つ持ち歩いてはいかがでしょうか。

(2013.8.16)

産経新聞掲載記事『比べる×調べる』

 

【関連情報】
商品研究レポート「災害用保温シートの効果調査」(2013.08.16)
3種類の災害用保温シートと代替品で、体の保温効果と使いやすさを調査しました。実際にどのくらいの保温効果があるのか、サーモカメラを使い検証しました。

生活科学研究室