(3) 文具ハサミVSリサイクル用ハサミどう選ぶ

ハサミは家庭用だけみても、いろいろな種類が販売されていますが、そのなかでユニークな機能を付加したハサミが販売され話題になっています。
プラス株式会社から発売されている「フィットカットカーブ」は、文具として販売されていますが、いろいろなものがサクサク切れるという商品です。
もう一つ、長谷川刃物株式会社製「CANARYペットボトルハサミ」はペットボトル専用ハサミで、ペットボトルがスイスイ切れるという商品です。

そこで、実際に切る力を測定しながら、切りやすさを検証しました。

フィットカットカーブとCANARYペットボトルハサミ

プラスのフィットカットカーブはベルヌーイカーブという曲線の刃を採用し、刃のどの位置でも刃と刃の角度が30度前後に保たれ、根元から先端まで滑らかに切れるというのが特徴です。
実際にダンボールを切る力(握力換算)を測定したところ、刃の根元は0.8kg、中央は1.7 kg、先端は2.3 kgで、刃の先端でも無理なく切ることができました。10歳児の握力の平均が17kg程度ですから、力の弱い子供や高齢者でも問題なさそうです。
一方、直線刃の汎用ハサミでは、根元が0.7 kg、中央が2.2kgで、刃の先端から1/4のところでは5kgを超え、刃の先端では切れなくなり、その違いは明白でした。

リサイクル用品として販売されているペットボトルハサミは、刃の先端を突き刺して切り始められるのが特徴です。汎用のハサミでは最初にカッターで切込みを入れる必要がありますが、このハサミであれば切込みを入れる必要がありません。一般的なペットボトルを切る時の力は、突き刺す時が4 kg、刃の中央では2.2kgと、大人なら無理なく切れました。
また、柄と刃に角度があり、柄がペットボトルにぶつからず、刃も短かいので曲線切りも可能でした。ただ、刃の先端が尖っているのと、切り始めに力がいるので小さな子供が使うときは注意が必要でしょう。
フィットカットカーブでも切ってみましたが、柄がペットボトルにぶつかり、ペットボトルバサミの方が楽に切れました。
ペットボトルのような特殊な素材には、やはり専用バサミが便利です。

切断する際に手にかかる力

2枚の刃で切るというハサミの構造は大昔からほとんど変わっていません。しかし、ハサミは最新の研究や技術を組み合わせて今でも進化を続けているようです。

切るものに合わせて上手に選べば、より便利な道具として活躍してくれそうです。

(2013.5.17)

産経新聞掲載記事『比べる×調べる』
生活科学研究室