(66)ゼリー
寒天とゼラチン、アガーを比較

ゼリーは暑い季節に人気のデザート。液体をゼリー状に固める凝固剤のうち、家庭用は寒天とゼラチンが一般的でしたが、最近は“アガー”も手に入りやすくなりました。

●凝固剤の原料と性質
寒天は天草などの海藻が原料で、常温で固まり、固めたゼリーから水がしみ出しやすいという特徴があります。ゼラチンは動物の皮などから抽出したコラーゲンで、冷やさなければ固まらず、ゼリーを常温に長時間おくと解けてしまいます。
アガーはカラギーナンという海藻抽出物やローカストビーンガムという種子抽出物などを混ぜ合わせて作り、配合は商品によって違います。常温でも固まり、ゼリーを室温に長時間おいても解けません。

●冷凍ゼリーをお弁当の保冷剤に
アガーの中には、冷凍したゼリーを解凍してもゼリー独特の弾力を楽しめるとうたった商品があります。これを使えば、ゼリーを容器に流して凍らせ、凍ったままお弁当箱に詰めれば保冷剤の働きをし、食後のデザートにもなります。
そこで、朝、お弁当に詰めて昼食時に食べることを想定し、冷凍したカキ氷シロップのゼリーを室温約27℃で6時間放置し、解け方と食感を比較しました。

●解凍結果
「寒天ゼリー」はしみ出す水分が最も多く、食べるともろもろと崩れてしまいました。「ゼラチンゼリー」は解けて液体になってしまうことはありませんでしたが、スポンジ状に変化し、そのスポンジからシロップがしみ出すような食感でした。
「アガーゼリー」は、冷凍用ではない一般的なアガーを使って作りました。解凍したものは、普通に冷やし固めたものよりもコシがなくなっていましたが、プルプルとしたゼリーらしさは楽しめ、溶け出す水分も少なめでした。(写真)

冷凍ゼリーの解凍結果

●まとめ
お弁当に冷凍ゼリーを入れるなら、解凍しても変化の少ない「アガーゼリー」がおすすめです。アガーは、一般的な商品でもメーカーが異なれば配合の違いで硬さや弾力が異なります。商品表示を参考にして何度か試し、好みや用途に合わせた使用量を見つけるのが使い方のコツです。
ちなみに、冷凍したゼリーは微妙に食感が異なるものの、3種ともやさしい冷たさの新感覚デザートになりました。こちらもお試しください。

(2014.08.08)

産経新聞掲載記事『比べる×調べる』

 

食品料理研究室