(35) 黒豆 時短のポイントは戻し方

おせち料理に欠かせない黒豆。時間がかかるから、上手にできないからと、手作りを敬遠していませんか? 今回は、時短のコツを探ってみました。

黒豆 時短のポイントは戻し方

●豆を戻す
北海道産の新豆を使って豆の戻し方を検討しました。比較した方法は「水」「熱湯」「重曹入り熱湯」「調味料入り熱湯」です。分量は、どの場合も豆300㌘に水2㍑。重曹は小さじ1/2、調味料は砂糖250㌘、しょうゆ1/4カップです。

「水」は6~8時間かけて、ゆるやかに戻りました。昔からいわれている通り、一晩浸ける必要があります。「熱湯」は1時間ほどで戻り、「重曹入り熱湯」は「熱湯」より早く戻る傾向がみられました。これは、重曹に豆の繊維をやわらかくする働きがあるためです。「調味料入り熱湯」は「水」より立ち上がりが早いものの調味料の浸透圧の影響で吸水が遅れ、結局は戻るのに一晩かかります(図)。

黒豆 時短のポイントは戻し方

●皮の割れ
豆は、皮と実で戻るスピードが違います。皮よりも実が早く戻って膨れると皮が破れてしまい、通称「腹割れ」状態に。これでは、おせち料理にふさわしくありません。

「水」と「熱湯」で腹割れ率を調べてみると、「水」は約3割、「熱湯」は約2割。意外にも、ゆっくり戻る「水」の方が多かったのです。「熱湯」は、スピーディーなうえに、見た目もよい戻し方といえます。


●煮てみる
そこで、戻りが早く、腹割れも少ない「重曹入り熱湯(熱湯1.5㍑に重曹小さじ1/4)」に豆300㌘を30分つけて戻し、砂糖250㌘を一度に加えて弱火で煮てみました。時間を追って食べてみたところ、3時間でイメージ通りのやわらかさに。

戻し時間30分、加熱時間3時間で黒豆を煮ることができたのです。あとは、煮汁につけたまま放置して、冷めればでき上がりです。


●まとめ
豆に味を煮含める時間の短縮も検討しましたが、画期的な方法は見つけられませんでした。つまり、黒豆の時短は戻しがポイント。分量を守って「重曹入り熱湯」戻しをお試しください。ただし、大粒の豆や保存期間が長い豆は、戻し時間を30分よりも長めに設定してください。

ちなみに、戻りきっていないうちに調味料を濃いめに加えると、かたく締まるのでご注意を。

(2013.12.27)

産経新聞掲載記事『比べる×調べる』

 

【関連情報】
商品研究レポート「黒豆 時短のコツ①」(2014.01.14)
おせち料理に欠かせない黒豆。時間がかかるから、上手にできないからと、手作りを敬遠している人も少なくないようだ。
少しでも気軽に、失敗なく作れるように、時短のコツを探った。

食品料理研究室