(9) 涼しく調理する
〜蓋と余熱とグリルを利用〜

蒸し暑い季節は、喉越しのよい麺料理を食べたくなります。でも、麺のゆで鍋から立ち昇る湯気と熱気を思い浮かべると、作る気が失せてしまうことも…。

そこで、光熱費を節約したい主婦の常識「蓋の効用」を、「調理中に感じる加熱温度」という視点から調べてみました。

図1は、調理開始から終了までマネキンをガス台の前に立たせ、終了時の表面温度をサーモビュアで撮影した画像です。同時に、放射温度計でも表面温度を測定しました。

図1:ゆで調理後の体表面温度

ゆで時間が7分のスパゲティを普通にゆでた場合(1a)、ゆで終わり時の温度は胸30℃、腹34℃。一方、鍋にスパゲティを入れ、ときどき混ぜながら1分加熱した後、火を止めて蓋をし、7分放置した場合(1b)は、胸と腹ともに27℃。腹の温度差は7℃もあったのです。

7分放置した“余熱調理スパゲティ”の状態は、わずかに硬めのアルデンテでした。これは、ソースと一緒にフライパンで炒め合わせて仕上げたときに、ちょうどよい硬さになる、とうことです。

スパゲティよりもゆで時間が短いそうめんは、湯が沸いたら麺を入れ、再び沸き立ったら火を止めて蓋をしてください。麺を湯に入れた時点で時間を計り始め、表示のゆで時間まで放置すればゆで上がります。


次に、焼き調理での蓋の効果を調べました。図2は、その結果です。フライパンを予熱1分、食材を入れて3分、裏返して1分の計5分間、蓋なしで調理する(2a)と、胸と腹の温度は32℃。蓋をして調理した場合(2b)は、胸29℃、腹32℃。蓋は熱の上昇を防ぎましたが、熱源に最も使い腹の温度は同じという結果になりました。

図2:焼き調理後の体表面温度

そこで、フライパンと同様に焼き調理ができる両面焼きタイプの魚焼きグリルを使って測定してみました。5分加熱したところ(2c)、胸は27℃、腹と下腹は29℃。裏返す手間もなく、フライパン調理よりも涼しく調理できました。


通常の調理では、ずっと鍋やグリルの前に張り付いているわけではありませんから、測定結果ほど体表面温度が上がることはないでしょう。でも、蓋やグリルを利用することで、キッチン内に熱や湯気が広がらないことは確かです。体にも財布にも負担がかからない方法で調理して、夏バテしない体をつくってください。

(2013.6.28)

産経新聞掲載記事『比べる×調べる』

 

【関連情報】
商品研究レポート「涼しく調理する〜蓋と余熱とグリルを利用〜」(2013.6.28)
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でも、麺のゆで鍋から立ち昇る湯気と熱気を思い浮かべると、作る気が失せてしまうことも…。
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食品料理研究室