(60)ダニ対策
ハウスダストの貯留する場所に注意!

 ハウスダストアレルギーの主な原因であるヒョウヒダニ類は、布団、ソファー、絨毯など布製品に多いことが知られていますが、他の場所には生息しているのでしょうか。住宅内のハウスダストが溜まり易い場所を調査してみました。


写真:ヤケヒョウヒダニ♀(A宅棚より分離)

 調査は都内の戸建住宅A宅と集合住宅B宅の2軒で行いました。A宅は本や資料が足の踏み場もないくらいに家中の床に置かれ、掃除がしにくい状況でハウスダウトの貯留が目立ちました。B宅はごく一般的な2DKのマンションで、ダストの貯留が目立つ状況ではありませんでした。A宅では5カ所、B宅では3カ所からサイクロン式掃除機を用いてハウスダストを集め、ダスト中のダニを検査しました。


グラフ:塵埃中のヒョウヒダニ数

 結果、全ての調査場所からコナヒョウヒダニとヤケヒョウヒョウヒダニ(写真)が見つかりました。A宅ではベッド下のダスト1gあたり1405頭と極めて多く見つかり、次いで、床に積まれた本の周辺から900頭/g、本棚から632頭/gが見つかりました。B宅ではリビング棚上のダストから533頭/g、押し入れから316頭/gが見つかりました。注目すべきは、両宅とも、寝具や床以外の場所からも数百を超えるヒョウヒダニが見つかったことです。日頃掃除の行きとどかない本棚や雑貨棚などダストが貯留している場所はダニの繁殖ポイントであることが確認できました。ヒョウヒダニの死骸や糞は、時間経過とともに乾燥、崩壊して微粒子となり、居住者による振動や風に吹かれることで空気中に舞い上がります。それを居住者が吸い込んだり、接触したりすることで気管支喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状を引き起こします。

 室内からヒョウヒダニを根絶させることは困難ですが、アレルギー疾患を起こしやすい子供や高齢者のいる住宅では発生を極力抑える工夫が必要です。そのためには先ず、ハウスダストが貯留しやすい場所、日頃掃除が行きとどかない場所を点検し、掃除しやすい環境作りをすることが大切です。不要になった物は速やかに処分し、整理整頓を心掛け、雑誌や新聞紙を積み上げて長期間放置することは避けましょう。ベッドの下や押入れなどは通気性を良くする工夫をし、サーキュレーターなどを活用して、常に換気と除湿を心がけましょう。梅雨から夏季にダニやカビなどを増やさないことがアレルギー対策の基本です。

※ ヒョウヒダニ類 : コナヒョウヒダニとヤケヒョウヒダニの2種類が重要なアレルゲンとして知られる

(2014.06.27)

産経新聞掲載記事『比べる×調べる』

 

環境科学研究室