(28)ハンバーグ調理時の手の汚染対策は

 ハンバーグを調理する時、材料を粘り気が出るまで手でよくこねて作りますが、衛生面も気になります。直接生肉などに触れると食品から手に移った細菌が、別の食品や調理器具、食器などに付着して二次汚染となり、食中毒の原因となることも懸念されます。

 そこで、ハンバーグを調理する過程での手の微生物汚染状況について、家庭での調理を想定し検証してみました。使った材料は牛と豚の合挽き肉、卵、パン粉、調味料です。

 次の手順で材料をこね、手の平に付着した細菌を培養検査してみました。①調理前に流水で40秒間手洗いしキッチン用タオルでふいた後、利き手である右の手の平を手形平板培地(細菌用普通寒天培地)に圧着させました。 ②ボウルにハンバーグの材料を全て入れ、調理用ビニール手袋をはめて2分間こねた後に、サンプリング(1回目)。③素手で再び材料を2分間こねた後、流水のみで40秒間手洗いしてふいた後にサンプリング(2回目)、④素手で再び材料を2分間こねた後、「除菌剤無添加の中性洗剤」を数滴手に取って泡立て、40秒間手洗いしてふいた後にサンプリング(3回目)、⑤素手で再び材料を2分間こねた後、「除菌剤添加キッチンハンドソープ」を2プッシュして泡立て、40秒間手洗いしてふいた後、サンプリング(4回目)。

図1:手の平の一般細菌数の比較

 結果は、調理前でも流水で洗っただけでは、手にまだ細菌が残っています。ビニール手袋をして直接肉に触れなければ、調理前と細菌数はほぼ変わらず、汚染度は増えていません。
 ただし直接手でこねて調理した時、流水で洗っただけの場合は付着した細菌数が602(CFU=菌量の単位)と増加しています。除菌剤無添加の中性洗剤でよく洗った後では1/4ほどになりました。付着した細菌が一番除去できたのが、除菌剤添加のキッチンハンドソープを使用した場合で、36(CFU)まで減少しました。


図2:洗浄後の手のひらの最近の培養後の比較

 生の肉や魚には必ず細菌が付着しています。直接手で触れた後は、石けんを泡立てながらていねいに洗い、十分すすぐことが大切です。今回、一番効果が見られた調理中に使用するキッチンハンドソープは石鹸臭が食品に移らないものが多く、調理中に使うのに便利です。手を洗うと両手をこすりあわせるため、使った方の手の汚れが反対側の手につくこともあります。両方の手の指の間まで意識してきちんと洗いましょう。手をふくタオルもまめに交換することをおすすめします。

(2013.11.08)

産経新聞掲載記事『比べる×調べる』

 

環境科学研究室