(20)お皿を綺麗に洗うには
―スポンジの細菌汚染に注意―

4週間以上使用している台所用スポンジには数万〜数億の細菌が繁殖していることがあります。食物の残渣と水分が付着した状態のスポンジは細菌の温床となります。

皿を綺麗にするはずのスポンジが細菌汚染されていて大丈夫なのでしょうか? スポンジを汚して検証してみました。約1億の黄色ブドウ球菌と、肉エキスをスポンジに馴染ませました。この汚染スポンジで、綺麗な皿を洗って皿に残っている細菌数を調べました。


3枚の皿を汚染スポンジで軽く擦り、直後に皿の表面を検査すると、5×5 cm2あたりに数万〜数十万の黄色ブドウ球菌が付着していました(表)。その皿のうち1枚を、同じ汚染スポンジに水をつけて洗い、流水で流しました。他の2枚は汚染スポンジにそれぞれ成分の異なる洗剤をつけて泡立て、同様の手順で洗い、流水で流しました。使用した洗剤は除菌表示のある洗剤Aと、除菌表示のない洗剤Bです。皿の水気をよく切って再び細菌検査をすると、水洗いの皿は5×5 cm2あたりに8000の黄色ブドウ球菌が付着していました。これに対して、洗剤で洗った2枚の皿からはブドウ球菌は検出されませんでした(表)。除菌表示の有無に関わらず、洗剤によって細菌が除去されたようです。


黄色ブドウ球菌数を検査

食器の汚れが少ないからと言って、洗剤を付けずにスポンジだけで洗っていないでしょうか? スポンジに細菌がたくさん付着している場合には、むしろ食器を汚染してしまうことが予想されます。皿を洗う際には洗剤をつけてよく洗い、泡を流水でしっかり流すことが大切です。そして、水気を切ってしっかり乾燥させましょう。また、スポンジに細菌を繁殖させないよう使用後の衛生管理に心掛けましょう。スポンジは固く絞り水気を切って吊るしておくのがベストです。晴れた日には日光に当てて紫外線殺菌が効果的です。


生肉の調理に用いたまな板や包丁を洗う際には特に注意が必要です。生肉には食中毒菌が含まれていることがあり,それがスポンジに移行する可能性があります。生肉が触れた調理器具を洗ったスポンジは、十分流水で洗い、乾燥させましょう。塩素系の漂白剤に漬けるのも非常に有効です。「除菌」洗剤は細菌をゼロにすることはできません。また、その除菌効果は商品によって様々です。4週間以上使用して、汚れが目立ってきたスポンジは新しいものに買い換えましょう。

(2013.9.13)

産経新聞掲載記事『比べる×調べる』

 

環境科学研究室