フジテレビ商品研究所

商品研究レポート

LED電球

LED電球はどれも同じ? 〜性能を損なわない
使い方を〜

  省エネ・長寿命として数多くのLED電球が売られています。2009年の普及当初は6000円前後でしたが、現在では低価格化が進み、1500円前後となっています。そこで低価格帯5種類のLED電球を比較してみました。

バリエーション豊富普及するLED 電球

 白熱電球や蛍光灯と並んで目にするLED電球。種類も多く、選ぶのに迷われた経験はないでしょうか?
 LED電球の基本的な発光原理はどれも同じで、電気を流すと発光する半導体(発光ダイオード:LED)が使われています。
 バリエーションも豊富で、電球の口径や相当するW数だけでなく、全光束(明るさ)、光の色合い(色温度)、光の届く範囲などニーズに合わせた様々な商品が販売されています。
 全光束は、明るさを表す指標で光源から出る全ての光量のことをいい、単位はルーメン(㏐)です。そのため、全光束が高いほど明るいということになります。
 また、色温度は、照明の色合いの指標で温度表示のケルビン(K)で表されます。白熱電球のように色温度が低いほど赤味を帯びた色合いを示し、高ければ青味がかった色合いになります。
 一般家庭用として多くみられるのは、主に次の3つ。色温度・明るさが高く、キッチンなど作業する場所に適する昼光色。自然光に近く、物の色合いをみるのに適した昼白色。色温度が低く、インテリアなどにも使われ、温かな印象をあたえる電球色の3つです。
 これらは日本工業規格(JIS規格)によってそれぞれ区分されています。  また、光の届く範囲にもいくつかあり、約300度で全ての方向を照らす全方向タイプや光の広がり方が約180度の広配光タイプ、狭い空間に適した下方向タイプなどがあります(図1)。


図1:色温度と配光タイプ


 今回は、①口径E26、②60W相当、③広配光タイプで低価格帯の5種類のLED電球(表1)を用意し、電球の表面温度・照度・相関色温度を測定しました。


表1:試験品





表面温度を比較 部位によっては発熱も

 LED電球は、白熱電球や蛍光灯と違い、一般的に熱を出しにくいイメージをもつ方も多いかと思います。そこで、今回は電球の表面温度を計測して確認しました。
 実験方法は、まず電球を天井から下へ約20㎝付近に固定し、図2のように電球表面の①と②の2点にT型熱電対を取り付け、点灯から30分経過までの温度変化を測定しました。
 また、赤外線カメラを使い、点灯から30分経過後の様子もあわせて撮影しました。照度と色温度については図3の測定条件で行いました。

 

図2:表面温度計測部位 図3:照度・相関色温度測定条件

 この結果、測定箇所①ではEを除く4種類で約60℃から65℃までの温度上昇がみられ、測定箇所②では大きな温度上昇はみられませんでした(図4)。


図4:表面温度・照度測定結果


 これはLED素子と点灯回路から発する熱の蓄積によるものと考えられます。
 このようにL E D 電球でも部位によっては温度上昇がみられます。そのため、ダウンライトなどの密された熱がこもりやすいところでは注意が必要です。
 また、Eが最も温度上昇が低かった要因としては、付け根部分が凹凸状になっており、熱が放散しやすい構造をとっていたためではないかと推測されます。
 LED電球は一般的に長寿命とされていますが、LED素子や回路が熱によって故障するケースもあり、電球を選ぶ際にはこのようなメーカーの工夫に注目することも重要なポイントです。



時間が経つことで明るさ(照度)は下がる傾向

 全光束の他に明るさを表すものとして照度があります。全光束は光源から出る全ての光量を表すのに対し、照度は観測部分での光源の量のことをいい、単位はルクス(㏓)です。
 そのため、光源からの距離や角度など観測位置によって値は変わります。
 普及当初、LED電球は、直下は明るいですが、光の届く範囲が狭く、空間全体を照らすのには不向きとされていました。しかし、現在ではその欠点を改善した様々な商品が出ています。
 今回は、照度計を使い、電球の直下と水平方向の照度と相関色温度を測定しました。実験方法は直下方向が床上80㎝、水平方向は床上120㎝の壁面に照度計を設置し、点灯直後から60分経過までを測定しました。
 この結果、相関色温度は5種類とも点灯から徐々に上がり、15分経過以降はあまり変わりませんでした。それに対し、照度は5種類全て点灯から60分経過まで下がり続け、Eを除く4種類では、点灯から60分経過までに約1割程度の照度の減少がみられました。
 今回の測定環境では、電球の周囲に障害物がない状態でしたので、熱の逃げ場がない密閉された環境では、負荷がかかり、電球の性能に影響する可能性も考えられます(図5)


表面温度測定の様子


 また、密閉器具に対応している電球でも取付けする器具の種類によっては電球内部の保護回路が働き、電力を抑えて明るさが下がるものもあります。
 熱が性能を左右するというLED電球の性質、色温度や配光タイプを踏まえ、各メーカーの指示に従っ て正しく使用することが大切です。
 今回は、照度や色温度といったL E D 電球の基本的な性能をみましたが、発生する熱と電球寿命の関係性についてもみていけたらと考えています。

注1 結果はあくまでも今回の条件に限ったものですのでメーカーの公表値と必ずしも一致しない場合があります。
注2 『 相関色温度 』理論値から求めた色温度の総称





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(2018.4.2 生活科学研究室)

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