フジテレビ商品研究所

商品研究レポート

注目の衣類スチーマーを調査!

蒸気がまっすぐ水平に噴射されるタイプがおすすめ



 衣類をハンガーにかけたまま蒸気を当てて手軽にケアができる衣類スチーマー。その実力を調べてみました。

写真1:テスト品一覧


シワケアを手軽に

 アイロン台いらずで、衣類をハンガーにかけたまま手軽にシワを取る衣類スチーマーが注目されています。立体的なブラウスのリボンやプリーツなどをふんわりと自然な風合いに仕上げられる点も魅力のひとつです。また、衣類についてしまった気になるニオイのケアもできるとうたっています。
 そこで表1に示す衣類スチーマー2機種(①通常のアイロンがけも可能、②蒸気がけに特化)と、比較対象に③アイロンのスチームショット ④霧吹き を加えた4種類(写真1)のシワ取りと脱臭性能を調べました。


表1:テストした衣類スチーマーの仕様






シワ取り効果を確認

 シワ取り性能テストでは、JIS試験綿布(35×35㎝)を洗濯乾燥機で乾燥させ、シワをつけた生地を試験布としました。ハンガーにかけたまま使用することを想定し、試験布を吊り下げ、下端を手で少し引っ張った状態で、テスト品を使用しました。試験は試験布を縦に3等分し、① ② はヘッドを接触させた状態で蒸気を連続噴射させながら1列ずつ上から下に5秒(×3列)かけて移動させました。③は試験布に接触させて、④は10㎝の距離から3ショット(×3列)同じ箇所にかからないよう全体に噴射しました。試験は3回ずつ行い、試験前後の試験布のシワの残り具合を目視で評価しました。ウール生地のシワは、折り畳んだ状態で10㎏のおもりを72時間のせてシワをつくり、① ② は5秒、③は1ショット、④は2ショット当てて評価しました。試験結果を表2に示します。

 綿布でシワがきれいに取れたのは①で、次に③→④→②の順でした。ただし、③は片手で持ち上げてショットするには重いため、蒸気を連続噴射できず、④は表面が湿ってしまうデメリットがあります。ウールでは、①②はきれいにシワが消え、③④はシワが残る結果でした。



蒸気の出かたでシワ取り効果に違いが出る

 ①と②で、綿布のシワ取りに違いが出たのはなぜなのか、蒸気の噴射の様子を確認すると、①はまっすぐ水平に蒸気が噴出されるのに対し(写真2)、②は湯気のように真上にのぼっていました(写真3)。毛ツイードのような生地では表面にできるシワ取りに差はありませんが、綿ワイシャツ生地のような細かい多くのシワをきれいに取り除くには、繊維内を勢いよく通過する蒸気が噴出する①のようなシステムでないと効果がないことが分かりました。 

 蒸気の温度と噴出量についても測定しました(表3)。蒸気の温度はヘッドの蒸気噴出面から1㎜離した位置に熱電対を設置し、1分間の温度を毎秒測定し平均しました。①②ともに蒸気穴は横方向に設けられています。①は蒸気穴周辺の温度に大きなばらつきはありませんでしたが、②は中央の穴に比べると左右の穴は若干温度が低い傾向にありました。

 1分間蒸気を出し続けて試験前後の重量差から蒸気噴出量を測定したところ、②の蒸気の噴出量は①の約3倍でした。蒸気量が少量であっても、安定した温度の蒸気が水平にまっすぐ遠くまで噴出されればシワ取りが効率的に行えることが分かりました。



表2:テスト結果/シワ取り効果と脱臭試験

写真2:1の蒸気の様子/写真3:2の蒸気の様子



脱臭性能は同レベル

 脱臭性能では、密閉容器の中にウール生地(20×6㎝)を吊り下げ、タバコ1本を燃焼させ、タバコ臭を吸着させたものを試験布とします。ウールのシワ取りと同様に試験布を吊り下げ、各テスト品を使用した後、試験布をふた付きガラス容器(容量1・4㍑)に入れ密閉します。1時間後に6名のスタッフでニオイをかぎ、タバコ臭が最も強い5(未処理の布)と比較したところ、脱臭効果は①と②が同等で高く、次は④ → ③という結果でした(表2)。③は蒸気の接触時間が短いため、①②ほどニオイはとれなかったと思われます。一方、④の霧吹きでは生地表面に残る水滴にニオイの原因物質が取り込まれて、一時的には効果が得られますが、水分が蒸発して取り除かれるとニオイ戻りがありそうです。しっかりとニオイを消したいなら衣類スチーマー①②がお勧めです。

 軽量な衣類スチーマーは時間がないお出掛け前などシワを手早くとりたいとき、そして衣類についたニオイを消したいときにサッと使えて大変便利です。蒸気の出かたをチェックしてから選ぶといいでしょう。



表3:蒸気の温度と量の測定



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(2017.7.7 生活科学研究室)

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