フジテレビ商品研究所

今までの研究レポート

チャーハンのコツを検証

5つのポイントを押さえれば、
ハラリとほぐれる香ばしいチャーハンに!



 チャーハンは、卵など何かしらの具とご飯があれば作ることができる料理。使う調理器具も準備の手間も少なく、加熱時間も短いため、作りやすいのですが、シンプルなだけに手順や作り手によって、でき上がりが大きく違います。
 今回は、「調理者の技量を問わない」「再現しやすい」「応用がきく」ことを目標にして、チャーハン作りのコツを調べてみました。

チャーハンのコツを検証


フライパンは十分に予熱すべし!

 実験をスタートする前に、①IHに非対応の廉価な「直径26㎝のアルミ製フッ素樹脂加工フライパン」、②料理初心者の手が加熱速度に遅れる心配がない「火力約3kWの一般的なガスコンロの強火」、③フライパンの容量に合う「2人分でご飯量400g」、の3つの条件を決めました。
 よく言われるコツのひとつ、“流し入れた溶き卵の縁が一瞬で膨らむ”ことを目指し、フライパンの予熱時間を確認しました。高温であるほど良好でしたが、フッ素樹脂加工には耐熱温度があります。そのため、耐熱温度以下の“220℃”を予熱終了温度としました。到達するまでの加熱時間は想像したよりもかなり長く、1分30秒。使うフライパンやガスコンロによって異なるため注意しなければなりませんが、意外に長くかかることを認識しておくとよいでしょう。

木べら2本の“面”を使うべし!

 次に、炒め方を検証しました。チャーハンというと、鍋を豪快にあおる“鍋返し”をしながら炒めるイメージがありますが、鍋返しには技術が必要です。そこで、フライパンを持ち上げることを止め、“2本”の木べらを使うことにしました。1本では、フライパンの中でご飯が前後左右に滑るだけで、上下を返せないからです。
 ご飯の塊を木べらで崩すとき、料理書などでは“ 切るように”と表現されることが常です。チャーハンの場合、“ 切る”イメージをもつと、木べらを立てて握り、上下に動かすことになりますが、これはNG。ご飯粒がつぶれたり切れたりする(写真1)ため、粘りが出てしまいます。
 木べらは柄を上から持ち、ご飯の塊を木べらの面で軽く押しくずしながらフライパン全面に広げると、効率よく加熱できます。そして、2本でご飯を持ち上げて上下を返すと、ご飯粒をつぶすことなく均一に炒めることができます。

写真1 ご飯粒がつぶれたりちぎれると、粘りが出てご飯粒同士を接着させてしまう

ご飯は強火2分で炒め終えるべし!

 基本としたチャーハンの副材料(卵と焼き豚、長ねぎ)を同重量のご飯に置き換え、炊き立てご飯600g だけを炒めて炒め時間によるご飯の重量変化と食味を確認しました。
 ご飯重量は加熱に従って減少し(図1)、1分ごとの減少量は加熱時間が長くなるほど増加する傾向がみられました。研究員3名で行った食味評価では、加熱時間1分はハラリとほぐれるがフワフワで食べ応えに欠ける、2分は弾力があって食べ応えがある、3分はより弾力が出たが粘りを感じる、という結果でした。
 1分ではご飯の余分な水分が抜けきらず、3分では返し混ぜる回数が増えることで粘りが出始めると推察し、ご飯の炒め時間は2分程度が適当と判断しました。

図1 ご飯の炒め時間と重量の関係

ご飯は温かいものを使うべし!

 温かいご飯と冷やご飯のどちらが適しているかを確認するため、炊き立てご飯4 0 0g と、炊き立てご飯400g をラップをかけて約12℃まで冷やしたご飯を用い、フライパン中のチャーハン温度をサーモグラフで観察しました。ご飯を投入してから2分後の状態を比較すると(写真2)、冷やご飯の方が明らかに温度が低く、温かいご飯2分加熱と同程度まで温度が上がるには、さらに1分30秒から2分を要しました。温かいご飯を2分加熱して仕上げたチャーハンに比べ、冷やご飯を4分加熱して仕上げたものは、写真1と同様につぶれたりちぎれたご飯粒が所々に生じていました。
 先のご飯の単独加熱試験で確認したように、加熱時間が長くなると、混ぜる回数が増え、ご飯の粘りが出でしまいがちです。冷やご飯を使うときは、電子レンジで適度に温めてから使うとよいでしょう。

写真2 ご飯を炒め始めて2分後のサーモグラム。温かいご飯(左)に比べ、冷やご飯(右)は明らかに温度が低く、40℃程度の部分も残っている

溶き卵はご飯の先に入れるべし!

 ご飯と卵を合わせる手順が違うと、チャーハンの食味にどのような差が生じるのでしょうか。
 220℃に予熱したフライパンに溶き卵を流し入れ、2回混ぜて半熟状態にしてからご飯を加え、2分炒めて仕上げた「卵が先」チャーハンと、溶き卵を混ぜたご飯を同様に予熱したフライパンで2分炒めて仕上げた「卵混ぜ」チャーハン、ご飯を入れた後に溶き卵を回しかけて2分炒めて仕上げた「卵が後」チャーハンを研究員3名で食べ比べてみました。
 「卵が先」は、ご飯と卵がほぼバラバラ(写真3)で、卵は具としての存在感がありました。ご飯はムッチリとした食感で食べ応えがあり、卵が焦げた香ばしさを感じました。一方、「卵混ぜ」は、卵がご飯粒をコーティングしている(写真4)ため、パラパラに炒め上がりました。食味の評価は分かれ、卵の甘みを感じる、食感が軽やか、と高く評価した人もいれば、食感が頼りない、香ばしさに欠ける、食味が単調で食べ飽きてしまう、という意見も出ました。「卵が後」は「先」と「混ぜ」の中間で、ご飯と卵がほどよく密着し、口中でのほぐれもよく、卵の甘みも感じられました。
 好みが分かれるところですが、香ばしさと食べ応えの点で「卵が先」をより好ましいと判定しました。

↑写真3 ↓写真4

まとめ

 試験で基本チャーハンとした「卵と焼き豚のチャーハン」のレシピをご紹介し、まとめとします。赤字は、実験結果を踏まえたおすすめポイントです。お好みの具を加えるときは、下ゆでするなどそのまま食べてもよいように下ごしらえしておき、焼き豚と同じタイミングで加えてください。

卵と焼き豚チャーハン

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(2017.10.06 食品料理研究室)

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