フジテレビ商品研究所

今までの研究レポート

化粧水の付け心地

〜男女の好みは何で決まる?〜

 ひと昔前、化粧品は女性のためのものというイメージが強くありました。もちろん、今でもファンデーションやマスカラ、口紅といったメイク系の化粧品を使用する男性はあまりお見かけしませんが、大手化粧品メーカーが女性向けだけでなく、男性のためのスキンケアブランドを設けるようになったことで、男性も化粧品を使ってスキンケアをすることに抵抗がなくなり、むしろ当たり前になりつつあるかと思います。
 今回、男性と女性のスキンケア化粧品の好みを調査するため、男女ともに使用者の多い、化粧水について官能評価を行いました。

評価方法

 評価に当たっては20代から60代の男女各20名に協力してもらいました(平均年齢 男性44・3歳、女性44・6歳)。
 化粧水は国内で市販されている男性向け4品、女性向け6品の計10品を使用しました(表1)。同一の容器に移し替え、商品名がわからない状態にし、評価者には1品につき1回、夜のスキンケア時に使用してもらいました。使用する順番は順序効果を考慮し、ランダムにしました。
 評価項目は化粧水トータルとしての好みを問う嗜好性の他に、液のとろみ感・香りの強さ・肌なじみ・さらっと感・べたつき感・さっぱり感・しっとり感・浸透感・つっぱり感の計10項目とし、7段階で評価してもらいました。基本的には数値が大きいほど良い評価としましたが、液のとろみ感は数値が大きいほどとろみがある、香りの強さは数値が大きいほど香りが強いとしました。

表1/化粧水の嗜好性の男女別の平均値

女性の好みは保湿感
男性の好みは?

 嗜好性の男女別の平均値を表1に示します。女性ではF2が最も高く、Dが最も低くなり、男性ではDが最高でBが最低となりました。嗜好性の平均値だけで見ると、男性の好きが女性の嫌いになっています。それでは、男性と女性の好みは反対ということなのでしょうか?
 嗜好性の平均値が最高「好き」と最低「嫌い」のものについて、どの項目に差があるのか、検定を行いました。
 女性(図1)では「好きF2」は嗜好性以外にもしっとり感、つっぱり感が有意に良いとなりましたが、さらっと感とべたつき感は「嫌いD」の方が良いとなりました。他には「嫌いD」の方が香りが強いとなりました。有意差が生じた項目から考えると、女性は香りが強過ぎず、しっとりとしてつっぱらない化粧水を好む傾向があるとなります。こちらを優先するので、付け心地がさらっとせず、べたついていても大きな問題ではないということなのでしょう。
 一方、男性(図2)では香りの強さ以外、嗜好性についても有意差は生じず、この検定結果では「好きD」と「嫌いB」に差がないとなってしまいました。

図1〜2/嗜好性の平均値が最高「好き」と最低「嫌い」のものについて、どの項目に差があるのか、検定を行いました

男性の未使用者は軽い付け心地がお好き

 女性は評価者全員がスキンケア化粧品を使用していましたが、男性については使用者と未使用者がちょうど10名ずつで、年齢の分散にも差がなかったことから、群を分けても考えてみました(平均年齢 使用者45・2歳、未使用者43・3歳)。
 嗜好性の平均値は使用者でF3が最高でCが最低、未使用者ではAが最高でGとHが同じ点数で最低となり、男性をひとくくりで考えていたときとは異なる結果となりました(表1)。先程と同様に検定を行うと、未使用者(図3)は嗜好性以外では「好きA」は「嫌いG」と「嫌いH」に対し、それぞれさらっと感が有意に良くなり、液のとろみ感が少ないとなりました。「嫌いG」に対してはべたつき感、さっぱり感、浸透感についても有意に良いとなりました。未使用者は普段スキンケア化粧品を使用していないことからも想像がつくように、軽い付け心地を好むということなのでしょう。これは女性の好みとは反対と言えそうです。  一方、使用者(図4)では嗜好性の他は「好きF3」の方が液のとろみ感が強いとなりました。この結果は未使用者と反対になっています。また使用者の「好きF3」は女性の「好きF2」よりもさらにしっとりする位置付けの商品です。これらの結果から使用者は軽い付け心地よりはどちらかと言えば重い付け心地を好むということになりそうです。とは言え、「嫌いC」の化粧水との間に嗜好性と液のとろみ感以外に有意差が生じなかったことから、好みに影響する要因は今回の評価項目には入っておらず、別にあるということなのかもしれません。

図3〜4/嗜好性の平均値が最高「好き」と最低「嫌い」のものについて、どの項目に差があるのか、検定を行いました

まとめ

  女性は保湿感があるような重めの付け心地を好む傾向が見られましたが、男性は普段からスキンケア化粧品を使っている人とそうでない人で好みが異なることがわかりました。未使用の男性には付け心地が軽いものをおすすめすれば違和感なく使ってもらえそうですが、使用者には個々のこだわりを聞いて、何を求めているか確認する必要がありそうです。男心は女心よりもわかりにくく、繊細なのかもしれませんね。

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(2018.1.22 美容・健康科学研究室)

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