フジテレビ商品研究所

今までの研究レポート

シェービングと男性の肌

シェービングと男性の肌

〜肌に優しいWETシェービング〜

商品研究レポート「男性の肌は、女性よりも乾燥しているの?」では、男性の肌が極端に乾燥していることの原因として毎日のシェービングが関係していることを報告しました。今回は、そのシェービングが肌に与える影響について調査しました。

計測内容・解析

2010年1月、30代の一般男性12名でシェービングのモニター試験を行いました。電気シェーバーでは、DRY剃り(以下、電気DRY)、WET剃り(以下、電気WET)、更に、安全カミソリの3つのシェービング方法で比較しました。1回のシェービングの前後、および1週間同じ方法でシェービングした前後で、水分蒸散量、肌水分量、肌の赤味の肌計測とマイクロスコープを使って肌の拡大観察による深剃り判定を行い、どのシェービング方法が肌に優しいかを明らかにしました。

シェービング方法
記号 略名 機種名 剃り方 特徴 WET剃りのシェービング剤
電気DRY Panasonic ES-GA21  DRY剃り 3枚刃 -
電気WET Panasonic ES-GA21  WET剃り
剃り後に洗顔
3枚刃 Schick薬用シェーブガード
シェービングフォーム
安全カミソリ 4枚刃安全カミソリ WET剃り
剃り後に洗顔
4枚刃 Schick薬用シェーブガード
シェービングフォーム
研究方法
概 要 各機種を指定した方法で毎日、1週間ずつ計3週間シェービングを行い、1週間ごとに肌計測を実施、3つのシェービング方法で肌への影響を調査した。
モニター 健常男性30代 12名 (ヒゲの濃さ:普通8名、濃い4名)
モニター属性 電気シェーバーと安全カミソリを併用して毎日ヒゲを剃っている。
ヒゲがアゴ、アゴ下にもある方。
試験実施 2010年 1月4日〜26日(3週間)
計測項目 水分蒸散量、肌水分量、肌の赤味、マイクロスコープによる肌観察(40倍)(深剃り判定)、モニターアンケート

測定結果

(1)水分蒸散量(TEWL)の変化

1回のシェービングの前後で頬、アゴ、アゴ下のTEWLの変化を比較しました(図1、2、3)。

TEWL値の増加が顕著であれば、角質の損傷が大きく肌が荒れやすくなる方向、減少した場合は、角質の損傷が少なく、肌状態が荒れにくい方向と考えられます。

TEWLの比較は、電気DRYは剃り後の洗顔がないため、ともにWET剃りの電気WETと安全カミソリで行いました。電気WETは、安全カミソリよりアゴで有意に変化が少なく、また、それぞれの前後の変化では、安全カミソリでは、全部位で有意なTEWL上昇が認められたのに対し、電気WETではアゴ下のみが有意な上昇となりました。

今回の試験では、同じWET剃りなら、電気シェーバーの方が安全カミソリよりTEWLの上昇が少なく、肌ダメージが少ないことが分かりました。

<図1>
*;P<0.05   

水分蒸散量(TEWL)の変化
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次に、1週間ごとに一定のシェービング方法を実施した場合の、スタート時と1週間後におけるTEWLの変化を確認しました(図4)。

アゴで、電気DRYは電気WETに比べてTEWLが有意に減少しました。この結果から、電気DRYの方が電気WETよりも肌ダメージが少ないことも分かりました。

<図4>
x;P<0.1 

1週間シェービング後のTEWLの変化量
 画像を拡大表示する
(2)肌水分量の変化

シェービング方法の違いによる、スタート時と1週間後の肌水分量を比較しました(図5)。

肌水分量が増加した場合は、肌がふっくらして肌状態が良くなることが分かっています(前回レポート参照)。

有意差にはいたらないものの、いずれの部位も、安全カミソリは、肌水分量が低下しました。一方、電気シェーバーでは、肌水分量の減少は少なく、肌水分量の結果からも安全カミソリより電気シェーバーの方が肌状態を良くする傾向があることが分かりました。

(3)肌の赤味の変化

シェービング方法の違いによる、スタート時と1週間後の肌の赤味の変化を、肌画像解析システム「ロボスキンアナライザー」で確認しました(図6)。

肌の赤味が増加することは、シェービング刺激による肌の炎症が原因と考えられます。ただし、この計測では、アゴ下は計測範囲外のため、アゴ下を除いた顔全体の赤味を評価しました。

電気WETでのシェービングを1週間続けることで、肌の赤味が唯一減少し、電気DRYや安全カミソリより有意に赤味面積が減っていました。

<図6>
x;P<0.1
*;P<0.05
(4)深剃り判定

マイクロスコープ写真(40倍)で、シェービングの深剃りの判定を行いました。判定は、皮膚表面の高さと同じにヒゲが剃れている場合を「0」として、それより深く剃れた場合を、深いほど、+1、+2、ヒゲが皮膚表面より出ているほど、-1、-2とし、目視判定で、-2、-1、0、+1、+2の5段階で評価しました(図7)。

頬で、電気WETは、電気DRY、安全カミソリより有意に深剃りができていました。その他の部位では有意差は認められませんでした。電気WETによるシェービングは、頬のように広く凹凸の少ない部位で、肌に優しいだけでなく、深く剃れることがわかりました。

モニターの実感評価

(1)シェービングの好み (電気シェーバーのWET剃りが最も好き

全てのテスト終了後、3つの方法について好きな方法とその理由をモニターの方から聞き取りました。

どのシェービングが好みか、順位をつけてもらいました。順位点は、評価の高い順に(順位点が小さいほど評価が高い)、電気WET(1.8)、電気DRY(2.0)、安全カミソリ(2.2)となり、電気WETが最も好まれました。また、それぞれを選ぶ理由は、方法ごとに特徴があり、電気WETでは、「肌に優しい」(5名)、電気DRYは、「楽に剃れる」(5名)、安全カミソリは、「深剃りできる」(3名)と感じていました。ただし、この安全カミソリの実感は、写真による客観的な深剃り判定の結果とは必ずしも一致していませんでした。

(2)モニターによる自己評価 シェービングの好み (電気WETシェービングは肌がなめらかに

各方法でシェービングした前後で、肌の状態の変化をモニター自身で評価してもらいました(図8)。

電気DRYでは、有意に「肌荒れ感」を感じた一方、電気WETでは、「かさつき」、「なめらかさ」、「総合的な肌状態」が有意に良くなったと感じ、安全カミソリでも、「かさつき」、「なめらかさ」、「脂っぽさ」、「ハリ」は有意に良くなったと感じていました。

肌計測の結果からは、電気DRYが肌ダメージが少ないにもかかわらず、モニターは「肌荒れ感」を感じていました。これは、電気DRYだけ剃り後の洗顔がなく、肌が乾燥した状態で評価するためと考えられます。電気WETおよび安全カミソリの剃り後には洗顔があるため、肌が柔らかくなめらかになります。これは、ちょうどお風呂上りに肌がふっくらなめらかなのと同様です。しかし、このままの状態で放置するとむしろ肌は乾燥するので、シェービングの後には必ずスキンケアをする習慣を身につけることが大切です。

 
<図8>
*;P<0.05 
**;P<0.01 

図8 シェービング前後の肌状態変化(自己申告)
 画像を拡大表示する

測定結果・まとめ

水分蒸散量、肌水分量、肌の赤味の計測結果を総合すると、電気シェーバーが安全カミソリに比べて肌ダメージが少ないことが分かりました。また、マイクロスコープ写真での深剃り判定でも、電気シェーバーのWET剃りが有意に深く剃れており、電気シェーバーが肌に優しく深剃りができることも分かりました。

「安全カミソリでのシェービングはスキンケアの習慣化が大切」
各シェービング方法による肌への影響を調査した結果、安全カミソリでは、シェービング前後でTEWLが有意に増加するため、肌が荒れやすいことが分かりました。安全カミソリでシェービングする人は、特にスキンケアを習慣化することが大切です。
「肌が敏感な人は電気シェーバーのDRYシェービング」
電気DRYは、今回の調査で、広範囲を早くシェービングできるだけでなく、肌ダメージがより少ないことも分かりました。肌荒れが気になっている人や、アレルギー等で肌が敏感な人、もともとシェービングで出血しやすい人は、まず、電気シェーバーによるDRYシェービングがよいでしょう。
「新しいシェービング習慣に
 -肌に優しく深剃りができる電気シェーバーのWETシェービング-」
今回、広く凹凸の少ない頬で、電気WETシェービングが有意に深剃りできました。このため、他の部位でも、「肌に対して直角に当てる」、「片方の手で肌を伸ばしてヒゲを立たせるようにする」、「強く押し当て過ぎない」ことを意識することで、優しくより深剃りができることが考えられます。シェービングのすっきりなめらかな肌感触を好む方は、新しいシェービング習慣として、WETシェービングができる電気シェーバーを取り入れてみるのもよいでしょう。

(2010.08.06 美容・健康科学研究室

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