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男性の肌は、女性よりも乾燥しているの?

男性の肌は、女性よりも乾燥しているの?

脂っぽいのが男性の肌の特徴ですが、肌のうるおいはどうなのでしょうか。2010年の1月〜2月に30代の一般男性の肌調査を行い、同じ時期の女性の肌データと比較して、検証しました。

計測内容・解析

30代の健常男性12名(平均35.6歳)の肌計測を行いました。測定は、肌水分量、キメの粗さ、水分蒸散量(TEWL)、皮脂量の計測と、マイクロスコープを使って肌表面状態の拡大観察を行いました。

そして、これらのデータと、同じ時期に計測した女性(平均40.6歳)の肌データとを比較して男性の肌の特徴を明らかにしました。

測定結果

(1-1)年齢と肌水分量の関係

男性の肌水分量は女性の水分量よりも非常に少ない傾向にあることが分かりました。

男性12名の頬の水分量の平均値は65.8(単位μs)で、水分量が少なく肌が非常に乾燥していました(図1)。

ちなみに、同時期に計測した冬に乾燥が気になる女性20名(平均40.6歳)の結果は平均値165(μs)でした。肌が潤っている女性の同部位の水分量は300(μs)前後はあります。

男性の肌がいかに女性の肌よりも乾燥しているのかが分かりました。

年齢と肌水分量の関係・部位:頬
(1-2)肌水分量とキメ係数の関係

キメ係数を横軸に、肌水分量を縦軸にしてグラフを作成し、女性のデータと比較しました(図2)。

「キメ係数」はキメが粗いほど数値が大きく、細かいほど小さい値になります。キメは年齢が高くなると粗くなり、数値は大きくなります。「キメ係数」の平均値は、男性が0.44で、女性が0.42で女性の方がやや数値が小さく、キメが細かいという結果になりました。

今回モニターの平均年齢は男性の方が5歳ほど若いため、5歳上の女性のキメより小さい値にならなければいけませんが、男性の方が数値がやや大きかったことは、一般に男性が女性に比べてキメが粗いといわれることを裏付ける結果となりました。

肌水分量とキメ係数の関係・部位:頬
(1-3)肌水分量と水分蒸散量の関係

水分蒸散量を横軸に、肌水分量を縦軸に取り、女性のデータと比較しました(図3)。

「水分蒸散量」(TEWL:transepidermal water loss)は、肌のバリア機能の目安になります。肌のバリア機能とは、肌表面の角層のバリア機能を評価するもので、バリア機能が正常に働いているかをTEWLの数値から評価できます。
TEWLの数値が少ないと「肌から水分が失われない状態」となり、一方、TEWLが高い場合は、「肌から水分が出て行きやすく」、「肌が乾燥し、肌荒れしやすい状態」となります。

結果は、男性の平均32.6(g/h・m2)に対し、女性は28.6で、男性の方が女性よりも数値が高く、全般的に肌のバリア機能が低下して、肌荒れしやすい傾向にあることが分かりました。

肌水分量と水分蒸散量の関係・部位:頬
(1-4)肌水分量と皮脂量の関係

皮脂量を横軸に、肌水分量を縦軸に取り女性のデータと比較しました(図4)。

皮脂量は男性平均が41.7、女性平均が17.4でした。男性の皮脂量は個人でばらつきが見られますが、全般的に女性よりも多い傾向であることが分かります。

ところが、このときの肌水分量は男性の方が、女性よりも非常に小さい数値であることが分かります。このことより、皮脂量の多少にかかわらず、男性の肌水分量は女性よりも非常に少ない状態にあることが分かりました。

肌水分量と皮脂量の関係・部位:頬
(2)肌の表面観察結果

マイクロスコープ(60倍)で肌表面の観察を行いました。男性の肌は非常に乾燥して、角質がはがれたケースが多く見られました。これは、いわゆる「肌が荒れている」状態です。一方、女性は肌がやや乾燥しているものの、男性ほどかさついている状態ではありませんでした。
肌の表面観察結果
(左)肌が乾燥している男性の頬のマイクロスコープ写真(60倍)
   非常に乾燥して、角質のはがれがありました
(右)肌が乾燥している女性の頬のマイクロスコープ写真(60倍)

測定結果・まとめ

「男性の肌は極端な乾燥状態にある」

全般的に男性の肌は、皮脂が女性よりも多いものの、極端な乾燥状態にあることが分かりました。

男性の肌データでは、肌水分量とキメ係数、水分蒸散量ではそれぞれ相関係数-0.613、-0.619と負の相関があり、「肌の水分が少ないほど、キメが乱れていて肌の荒れがひどい」ということが分かりました。

「男性は日頃からあまりスキンケアをしないのでは...」

皮脂は自らの肌を守るバリア機能の成分として働きます。男性は皮脂が多く、肌が脂っぽく感じるために、肌が乾燥して肌荒れしていると自覚せず、ついつい「そのままでも大丈夫」と思うのかもしれません。また、男性の場合は「男だからスキンケアの必要はない」と思う人も多いのではないのでしょうか。

2004年の調査で、男性はシェービングで肌がダメージを大きく受けることが分かっています。シェービング後には、水分蒸散量(TEWL)の値は大きく上昇していました。シェービング後にスキンケアをしないと、確実に肌荒れにつながってしまいます。

「男性にもスキンケアが必要です」

男性は女性以上に毎日のスキンケアが必要です。シェービング後や、外出をするときには、保湿ローションや、場合によってはクリームなども補足してスキンケアをしましょう。
 肌がきれいなことは、見た目の年齢を若くして好印象を与えます。そのためには、毎日、スキンケアをする習慣を身につけて欲しいものです。

(2010.07.16 美容・健康科学研究室

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