IPMとは?
HOME > IPMとは?
近年、IPMが文化財の保存修復の分野において広く知られるようになりましたが、IPMとそれに関わる有害生物の研究を専門に行っているアドバイザーのもと、正しくIPMを実践している団体はまだ少ないのではないでしょうか。このページでは、IPMに関する基本的な考えと、エフシージー総合研究所のIPMに対する考え方を述べたいと思います。

IPMの目的

IPMとは、日本語で「総合的有害生物管理」と訳します。

元々は農業の分野において、農作物を害虫から守る手段として提唱され、実践されてきたのがIPM です。むやみに化学薬剤を用いて有害生物を駆除するのではなく、有害生物が潜む環境状況に配慮しながら、生態的、生物的、物理的、化学的な手法を効果的に組み合わせることで、有害生物の密度を、経済的損害を引き起こす危険水準以下のレベルに維持管理することが最大の目的です。

有害生物から文化財を守る方法

有害生物からの被害を防ぐためにはいくつかの方法が考えられます。
例えば以下のような方法を効果的に組み合わせることによってIPMを実現することになります。

  1. 化学的防除法(害虫の生活史や生態を正しく把握した上で、殺虫剤を最小範囲に適量使用します)
  2. 物理的・機械的防除法(現場の立地条件を踏まえた上で、捕獲器を用いて有害生物を捕獲します。また、侵入できない構造にします)
  3. 建築構造の修理・改修と維持管理(有害生物が発生しにくい環境を作ると共に、それを維持するアドバイスをします)
  4. 絵画・文化財の維持管理(保存袋や保存カバーなどを使って、カビなどが作品自体から発生することを予防します)

IPMは画一的なものではない -美術館や博物館によって対応方法は異なる

美術館や博物館は絵画や文化財を展示するだけではなく、「後世に残さなければならない大切な文化遺産を保存する」使命を担っています。

カビや害虫の発生状況、または、これら有害生物が発生しやすい環境であるか否かを調査し、環境改善と日常監視体制を確立することが「美術館・博物館のIPM」の基本となります。その方法は対象とする美術館や博物館によって様々であり、「必ずこうしなければいけない」とか「必ずこうすべきである」といった画一的なものではありません。美術館や博物館の周辺を取り巻く外部環境や立地条件を踏まえ、建物の内部構造を再認識することが第一歩であり、その上で可能な限り詳細な調査や検査を進めましょう。

IPMアドバイザーとして -エフシージー総合研究所の役割

最前線で美術品や文化財の保存管理に携わる施設管理者や学芸員がIPMの重要性を認識し、「IPMはチームプレイである」との認識に立って個々の美術館や博物館に合ったIPMを実践することが何よりも大切であると考えます。

絵画や文化財の被害が著しい場合や人手不足が原因で、美術館や博物館の管理者と学芸員だけではIPMを実践することが困難な場合には、IPMが解るアドバイザーに相談し、修復士、ガス燻蒸業者、清掃業者、有害生物防除業者(PCO)などと力を合わせて実施することが適切なチームプレイであると考えます。

「IPMは机上論だ」、「人手が足りないので無理だ」とネガティブに考えるのではなく、「できることから始めよう」とポジティブに考えることで、実践可能な具体策が見出せます。どこから始めたら良いか、それを的確にアドバイスすることがエフシージー総合研究所の使命だと考えています。

お問い合わせはこちら
  • 温・湿度管理をしているのにカビが生えてしまった・・・!
  • カビが生えている画面をきれいにしたい!
  • 裏面にラベルが貼ってある画布の変形は直るのだろうか・・・?
  • FAQ一覧を見る
美術品専用保存袋(IMPACK)
防カビ・難燃性を兼ね備えた美術品専用の保存袋を開発しました。
詳しくはこちら
お問い合わせはこちら
大切な美術作品保存のための知っておくと役立つコラム