(129) 充電手回しラジオ

  ラジオ作動時間、手回しのしやすさに差あり


 近年、各地で自然災害が頻発しており、防災意識への高まりから市場ではさまざまな防災グッズが目に入ります。電源が無い状況でも情報を収集することができる“手回し充電ラジオ”に着目し、手回し回数によるラジオの作動時間と回しやすさの違いを調べてみました。
 テスト品は、5~6千円台のモデル(A、B、C)、比較的安価な(D)、の4機種です。どの機種もラジオ以外にもライト、携帯電話などへの充電機能があります。

 まず、4機種のボリュームを騒音計で同じ音量になるように調節し、充電を空の状態にしておきます。ハンドルを120回転(1秒間に2回転のスピードで1分間回す)させた後、4機種同時に電源を入れて同じ放送局のラジオを受信させ、電源が切れるまでの時間を計測しました。その結果、AM、FMどちらも、作動時間が長い順にB ▷ A ▷ C ▷Dでした。Bは1分間の手回しで、唯一1時間以上ラジオを聴くことができました。

 次に、感覚を数値化するセンサー(HapLog/テック技販)を親指に取り付け、1秒間に2回転のスピードの手回し時にかかる負荷を測定した結果、負荷が少ない順に、A ▷ C ▷ B ▷Dでした。A、Cはハンドルを軽く回すことができるため、1分以上回しても疲れにくいといえます。特にAは、ハンドルが握りやすく、本体もつかみやすいことからも数値以上の回しやすさを実感しました。これらのグッズは2〜3分も手回しすると疲れてくるため、回しやすさはかなり重要な項目だと思われます。

 なお、スマートフォンの充電にも対応しているA、B、Cについては、手回しを1分間行ったところ、充電量はどの機種も1%未満でした。3機種とも乾電池からの充電も可能なので、ある程度の充電量が必要な場合、可能であれば、乾電池で充電するのがよいでしょう。


手回し充電ラジオの試験結果


 Aは、1回の手回しで長くラジオが聴けて、手回ししても疲れにくいのでおススメです。今回のテストでは高評価とはならなかった安価なDは、軽量・コンパクトで持ち運びやすい点では選ぶ価値があります。手回し充電ラジオはラジオを聴く以外にも、停電などの非常時に役に立ちますので、災害用に常備してはいかがでしょうか。

(2016.09.23)


産経新聞掲載記事『比べる×調べる』
生活科学研究室