(116) ザル

  穴の形状で使い勝手が違う

 ザルは、米や野菜、ゆでた麺の水を切るため、毎日のように使う道具です。昔からある金網ザル以外に、パンチ穴のものやシリコン製など種類も多くなりました。材質や穴の形状、価格が異なるザルを比較してみました。


   
ザル
 

● ザルの種類
 シリコン製(A)、プラスチック製(B、C)、ステンレス製・パンチ穴(D、E)、ステンレス製・網(F、G、H)のほぼ同じ直径の8種類を用いて食材の水を切り、その使い勝手を比較しました(表)。

表:評価した商品

● 米の水切り
  米3合(450g)を30秒ずつ3回軽く洗い、ときどき前後左右にザルの傾きを変えながら3分放置した後、米の重量を測定しました。最も水が切れたステンレス・網のFを「最適ザル」として、その米重量を基準にし、他のザルの米重量との差から水切りの程度を評価しました(図)。
  ステンレス・網は水がよく切れる傾向がありました。特に最適ザルのFは米がサラサラと滑り、ザルから釜などに移しやすい状態になりましたが、Hは足として底の数か所で網が飛び出しているため、そのくぼみに水が溜まり、FとGよりも水切れが悪くなりました。一方、パンチは米との相性がよいとはいえませんでした。Aは米が穴から流れたり詰まったりし、DとEは米が流れることはなかったものの、米が穴をふさいでしまいました。また、スリットのB、Cは、隙間の数か所に米がひっかかってしまいました。


図:評価結果

● モヤシ
 水切りの方法は人によって異なります。特に野菜は、洗った後そのまま放置する人と、ザルを上下に振って早く水を切る人がいました。そこで、モヤシ200gを洗った後、そのまま10分放置したときと、ザルを10回上下に振ったときの水切れを比較しました。
 最適ザルとなったのは、振る場合はスリットのB、放置の場合はパンチ穴のサイズが大きいAでした。スリットは、放置するよりも、振って水切りするのに向いているようです。ステンレス・パンチのD、Eは放置しても振っても表面張力によって水が穴をふさぐため、水切れが悪くなりました。ステンレス・網は最適ザルに次いで水切れはよかったのですが、ザルの底に枠があるFとGは枠に水が溜まり、モヤシを別容器に移すとき、その水も一緒に移ってしまいがちでした。


● ゆで麺
 太さ16mmのスパゲッティ100gとそうめん100gをゆで、水を切ってみました。パンチのA、D、Eでスパゲッティが穴から飛び出すことがありましたが、大きなトラブルにはなりませんでした。しかし、そうめんはスリットB、Cからたくさん出てしまい(写真)、不適当でした。


● まとめ
 昔からあるステンレス製の網ザルが、どの食材に対しても水切りしやすいことがわかりました。底に枠があるタイプは、枠に水が溜まりやすいので、中身を移す前に枠の水を手やペーパーなどでぬぐうとよいでしょう。穴がスリット状のプラスチック製は細い麺には使えませんが、軽くて扱いやすく、安価な点が魅力でした。パンチは、米は穴に詰まり、そうめんは穴から麺が飛び出すので使い勝手はよいとはいえませんでしたが、変形しにくく洗いやすい面もあります。
 それぞれ得意な食材が違うので、使い分けたり、ご自分の調理傾向で選んでもよいでしょう。

(2016.03.11)

産経新聞掲載記事『比べる×調べる』

 

食品料理研究室