(41)天日干しの殺菌効果

 洗濯物やまな板を天日干しすることで、表面に付着する微生物が殺菌されることはよく知られています。しかし、微生物は目に見えないため、本当に殺菌されているかどうか実感することはできません。そこで綿布を用いて、天日干しの殺菌効果を晴天の日に調べてみました。

 5センチ四方の綿布を数枚用意し、それぞれの表面に黄色ブドウ球菌を含む水をしみ込ませました。12時に日光が良く当たる屋外に綿布を天日干しして、10分、30分、60分の時間経過ごとに1枚ずつ綿布を回収し、生存している黄色ブドウ球菌数を培養検査しました。対照として、綿布を日陰に置き、同様に菌数を検査しました。

 開始直後の黄色ブドウ球菌数は約8100万ですが、10分間日光に当てた綿布では1万3千、30分で360と減少していき、1時間後には0になりました(=グラフ)。


グラフ1:手のひらに付着する細菌数


 一方、日陰においた綿布の菌数は、10分後に1600万、30分で470万と減少速度が遅く、1時間が経過した時点でも約270万のブドウ球菌が残存していました(=グラフ)。これらの実験から、冬場でも晴れた日なら、日干しによる殺菌は非常に有効であることが判りました。

 細菌数を減少させる大きな要因は太陽光に含まれる紫外線です。太陽の高度が最も高くなる12時前後が紫外線量も最も多く、日が傾くとともに紫外線量も少なくなっていきます。天日干しをする時間帯は10時~14時の4時間がお勧めです。

 細菌を減少させるもう一つの要因が乾燥です。日陰においた綿布も菌数が減少していますが、乾燥のため布に含まれる水分量が少なくなり、細菌の増殖が抑制されたことが原因の一つと考えられます。生乾きの洗濯物から漂う嫌な臭いの原因は、布で増殖した細菌です。細菌が繁殖するには水分が欠かせないので、速く乾いた洗濯物では細菌が増殖することがきません。天候が悪く外に洗濯物が干せない時は乾燥機を利用するなどして、速く乾燥させると良いでしょう。

 天日干しはカビにも有効です。靴、バッグなどの革製品や布団といったカビが生えやすい物は週に1回程度、天日干しをすることでカビの発生を予防することができます。

 天日干しは低コストで手軽に実施できる殺菌方法です。上手に利用していきましょう。

(2014.02.14)

産経新聞掲載記事『比べる×調べる』

 

環境科学研究室