情報調査部 危機管理研究室

あの企業事件を振り返る

こちらのページでは広報関連の企業事件情報を掲載しております。内容は会報誌に掲載当時のものです

2013年1月 日揮アルジェリア人質事件

今年2月、アルジェリアやリビアなど世界の紛争地帯を取材しているフリージャーナリストに対して、日本政府は紛争地帯での邦人保護のため、パスポートの返納命令を出した。 今回は、日本の企業戦士を襲った人質事件について振り返る。(文中の肩書は当時/敬称略)。

2013年1月16日(水)午後4時半、日本政府に北アフリカの旧フランス植民地、アルジェリアの東部の都市イナメナス付近にある天然ガスプラント精製施設がイスラム武装勢力に襲撃を受け、 プラント大手の日揮の邦人社員らが拘束されたという一報が入った。 2012年末に日本の最高責任者に返り咲いた安倍晋三首相にとって、厳しい危機管理対応が求められた。 同日夕刻、横浜市のみなとみらいにある日揮本社には取材陣が殺到。同社の遠藤毅広報・IR部長が対応にあたった。 遠藤部長は、事件収束までほぼ一人でマスコミ対応を引き受け、情報が入れば昼夜を問わず会見を開き、情報を求めるマスコミに包み隠さず伝えた。

日本政府は17日午前に首相を本部長とする対策本部を立ちあげた。東南アジア歴訪中の安倍首相の臨時代理として麻生太郎副総理が陣頭指揮にあたった。 同日夜、アルジェリアの英国大使館から日本大使館にアルジェリア軍が、武装勢力への攻撃を開始したという一報が入ると、真偽不明の安否情報が飛び交い、関係者を悩ませた。 19日、日揮の川名浩一社長は現地で陣頭指揮を執るため、アルジェリアへ向かった。この行動力にマスコミ各社は驚き、識者からは評価する声もあがった。

なお日揮は、人質事件ということや遺族に配慮して、被害者の氏名公表を拒み続けていた。最終的には政府の要請で公表したが、マスコミが氏名公表をする必要性があるのか、 賛否両論の議論を呼んだ。本件では10人の尊い命が失われたが、海外進出企業の危機管理の必要性が改めて認識された事案だった。
(大手八郎)

※ 禁転載

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