(36)窓際のカビ防止は結露を防ぐことが肝心

 カビが繁殖する被害は、多くの場合、梅雨から夏場の暑くて湿気のある時期に集中します。しかしながら、秋から冬にかけての窓際のカビ繁殖には注意が必要です。



 冬場の外気は冷たく乾燥していますが、暖房を頻繁に使うリビングルームなどでは、年間を通じて20℃前後に保たれています。室内のカビが繁殖するために最適な温度は20~25℃ですので、人が快適な温度はカビにとっても最適な温度になります。


 また、結露で発生した水分は繁殖を助長する大きな原因となります。窓に結露が生じる原因は屋外空気と室内空気の温度差です。暖かい空気はたくさん水蒸気を含むことができますが、冷たい空気は水蒸気をあまり保持できません。水蒸気を含んだ暖かい室内空気がガラスで冷やされることで水蒸気が水滴に戻ることで結露が生じます。
 結露によってカーテンやサッシに溜まったハウスダストが湿り、太陽の光や室内暖房によって温められることで、ハウスダストに含まれるカビ胞子が発芽、繁殖します。このまま放置してしまうとサッシ、カーテン、周囲の壁を黒く汚染することになります。


 新築では外気温を室内に伝えにくくする断熱性二重ガラスが普及しており、結露ができにくくなっています。しかし、金属サッシの部分は冷たくなるため結露が生じてしまうこともあります。
 冬場に限らずカビの成長には「水分・栄養・温度」の3つ全てが必要です。この3条件がそろわないように心がけることで、カビの発生を極力抑えることが出来ます。私たちが生活する上でカビが成長できない温度の維持は難しいので、水分(湿気)と栄養分(ホコリや汚れ)を無くすことを心がけましょう。窓のカビを防ぐためには、結露を小まめにふき取る、サッシを掃除する、カーテンを洗濯するなどの対策が挙げられます。




 特にサッシはホコリが溜まりやすい上、結露が流れ込みますので小まめな掃除が必要です。ただ拭い取っただけでは、汚れやホコリとともにカビ胞子を広げることが多いので、消毒用エタノールで殺菌すると効果的です。残った汚れは住宅用中性洗剤を使ってきれいに落とします。細かいところまで日々掃除することは難しいですが、日常の手入れとして、清潔な布などで溜まった結露をふき取ることでカビの繁殖を抑えることが出来ます。

 カーテンもホコリで汚れやすいため、厚手のものは年に1回、レースなどは年2〜3回洗濯すると良いでしょう。カーテンの洗濯の際には、一緒に窓とサッシの掃除もしてしまいましょう。窓ガラスの表面についたハウスダストがガラス面のカビ発生の原因となることもありますので、本格的に寒くなる前に掃除しましょう。

 近年、乾燥対策やインフルエンザ予防として加湿器の利用も増えましたが、過剰な加湿も結露の原因になるので注意が必要です。


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(2016.11.11更新 エフシージー総合研究所 IPM研究室)



産経新聞掲載記事『微に入り細に入り』

次回の更新は11月25日(金)を予定しています。

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室内環境の有害物質を調査し、対策を研究・ご提案します。特に「室内環境中で健康被害を及ぼすダニ・微小昆虫類・カビなどの研究」を主たる仕事としています。研究や調査のご依頼がある場合は、お気軽にお問い合わせください。【IPM研究室はこちら】