(5)ダニ退治は秋季に!

  アレルギー疾患の研究と治療のトップとして知られる国立病院機構相模原病院臨床研究センターの最新研究データによると、室内に生息するチリダニ科のヒョウヒダニ類が喘息を悪化させる一番の原因としています。中でも、最も注意すべき種が体長0.3〜0.5mmのコナヒョウヒダニ(学名: Dermatophagoides farinae =写真)です。

  乾燥した死骸が粉々になったものや糞がアレルゲンとなり、それを吸い込むことや汗腺から取り込むことでアレルギー症状が出ます。最近の住宅のダニ生息実態を調べるため、筆者らの研究グループは、都内・近県の37軒の住宅を対象として、2014年春季、夏季、秋季の3回に渡って寝室の床と寝具のハウスダストを調査しました。



  この結果、コナヒョウヒダニは全住宅からも最も多く見つかりました。明らかになったコナヒョウヒダニ個体数は季節変動(グラフ(1))が大きく、春季は平均39匹、夏季になると10倍以上に増加し、秋季になると少し減少しました。しかし、減少するから安心というわけにはいきまません。ダニも生き物ですので、やがて死んでいきますが、そのままにして置くと気密性の高い住宅ではアレルゲンとして蓄積することになります。そして、空気が乾燥する冬季になると、人の鼻や喉も乾燥してアレルギーを発症しやすくなります。


一般住宅37軒の寝室ハウスダスト中のダニ頭数

掃除頻度とダニ頭数の関係

  そこでお勧めしたいのが秋掃除。アレルゲンを除去するのに効果的です。ハウスダスト中のダニ数と掃除頻度の関係をみると、週1回以上掃除する住宅のダニ数が少なくなることが判りました(グラフ(2))。コナヒョウヒダニは、ハウスダスト中の人のフケやアカ、食べかすなどをエサにして生活することから、家族が長時間過ごす寝室とリビングルームで増えやすくなります。強い吸引性能をもつ掃除機を使って壁際や床の隙間などに貯留しているダストを吸い取ることが大切です。湿度が40〜50%になる秋の晴天日は、秋掃除に最適です。十分換気をして、カーペットやカーテンなど大物の洗濯もしてしまいましょう。また、エアコンフィルターにもハウスダストが付着していますので、冷房使用から暖房使用に切り替わる前に掃除をしましょう。

 年末は多忙で大掃除がままならない家庭は、特に秋に大掃除を行うことをお勧めします。


(2015.9.4更新 エフシージー総合研究所 IPM研究室)



産経新聞掲載記事『微に入り細に入り』

次回の更新は9月18日(金)を予定しています。

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室内環境の有害物質を調査し、対策を研究・ご提案します。特に「室内環境中で健康被害を及ぼすダニ・微小昆虫類・カビなどの研究」を主たる仕事としています。研究や調査のご依頼がある場合は、お気軽にお問い合わせください。【IPM研究室はこちら】