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点字の公園ガイドブック

点字の公園ガイドブック

知っていますか?

公園や水族館は、最近、視聴覚障害者にとって「やさしい施設」になりつつある。広報・事業室では、公園を視覚障害者に分かりやすく紹介する「バリアフリーに対応したホームページ」の制作や、「点字による公園のガイドブック」の作成などを通じて、社会貢献に取り組んでいる。今回は、点字ガイドについて報告する。

視覚障害者のための資料が少ない

 全国の国営公園での視覚障害者の入場者数は、全入場者数の約1―2.5%といわれる。一部の公園では、地図つきのパンフレットや外国語のパンレットを用意しているが、視覚障害者用の点字の説明パンフレットを用意しているケースは、まだまだ少ない。
 現在ではかなりの施設がバリアリーに対応するようになったが、これは2006年12 月に施行された「バリアフリー新法」を受けたもの。
 公園の点字ガイドブックといっても、一般用のパンフレットを単に点字に置き換えただけのものが多く見られるが、視覚障害者にとっては、専用のパンフレットでないと、使い勝手がよくないのだ。

視覚障害者に役立つガイドブックを作りたい

 視覚障害者は、目が見えないだけで、ほかは健常者とまったく同じ。一方、健常者よりも耳や手、足などの感覚が優れており、これらの感覚で外部の情報を得ている。多少の工夫が必要な場合もあるが、多くの人は健常者と同じプログラムやレクリエーションを体験したいと考えている。
 制作にあたって、視覚障害者の団体に点字の公園ガイドブックについて意見を求めると「耳で楽しめるものはありますか?」「手で触って楽しめるものがあるとうれしい」「公園内の休憩所の位置が分かると安心できる」などの要望があった。
 さらに「歩くのは好きだが、(目が見えないので)距離感がつかめないので、あとどれくらい歩くのかが分からず不安になることがある」などの意見が寄せられた。

水族館の点字ガイド(印刷用・一部抜粋)

点字ガイドブックの目的

 制作は、日本点字図書館の協力で、以下の3項目に配慮しながら行った。
①視覚障害者のためのパンフレット
・点字で公園の内容を説明する
・地図も点字で表現する
・視覚障害者が楽しめる内容を説明する
②視覚障害者の心配事をなくす
・トイレ、駐車場の位置、使用方法などを説明する
・公園の指示、注意事項などを説明する
・「急な坂道」「スロープを降りる」「専用のエレベーターがある」など、現場の状況を明確にする
・おすすめのコース、所要時間などを説明する(事前に距離感を伝える)
③コミュニケーションツールの役目
・健常者と対等に会話のできる資料にする(通常の説明も入れる)

 制作時には現地での取材や、視覚障害者によるサンプル版のモニターテストなども行った。

作成のポイント(国営沖縄記念公園の例)

【情報の整理】
 トイレの状況、階段・坂道はないか―など園内のバリアフリー状況を把握し、休憩所の配置状況を調べ、視覚障害者の楽しめる展示を調査した。

【点字の地図】
 駐車場や各施設の入口を起点として、「ひと筆書き」の要領で各施設の位置関係が把握できるようにした。

【説明書】
 点字はすべてカタカナで表現するため、漢字や漢語は使わず、簡潔に分かりやすくを心掛けた。
 この公園内にある水族館を、目の見えない人にどのように紹介したら分かりやすいか?というのが課題だった。
 館内には音声解説(PDA の貸し出し)や、生きたヒトデに触ったり、サメの皮膚の標本に触れたりする視覚障害者でも体験できるエリアがあることが分かった。それらの情報を点字ガイドブックに盛り込んだ(図参照)。
 作成したガイドブックは、公園の受付で貸し出しをするとともに、公園事務所を通じて全国の盲学校、公立の点字図書館、福祉施設に配布をした。

使用後の評価、今後の目標

 この点字ガイドブックを事前に読んだ視覚障害者が、健常者と一緒にその公園に行ったときに「対等な会話ができたので、非常に楽しかった」とお礼を述べたと聞いた。
 事前に公園の内容が理解できていたので、いつもは(健常者に)手を引かれて園内を歩く受動的な行動になるのが、今回は「この施設はこちらの方向にある」とか、「この施設の近くには、こんな施設があるから寄ってみたい…」といった会話ができたそうである。視覚障害者の求める情報を伝えることがポイントなのだ。
 今後は、他の公園や水族館をはじめ、各種公共施設、テーマパークの点字ガイドブックを作成し、より多くの視覚障害者が楽しめる機会を増やしたいと考えている。

(2011.09.01 広報・事業室)

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