(7)漂白剤の種類と働き

 洗剤だけでは落としきれないシャツの黄ばみやシミ。洗濯の際、漂白剤を合わせて使う方も多いかと思います。漂白剤には種類があり、どれを使えば良いか迷うところです。第7回は“漂白剤の種類と原理”についてお話しします。

●洗剤と漂白剤は何が違う? 化学反応による色素の分解
 そもそも洗剤と漂白剤では原理が異なり、家庭用洗剤は界面活性剤などの働きによって汚れを繊維から取り除くことで白くみせます。これに対し、漂白剤は汚れを取り除くのではなく、黄ばみやシミ、黒ずみ汚れの色素を変化させて白くします。カレーやワインなど洗剤で落としきれなかった汚れやシミが漂白剤で白くなるのはこのためです。塩素系や酸素系の漂白剤では酸素による酸化反応によって漂白効果が得られ、皮脂汚れなどの有機物には有効ですが、泥汚れやスス汚れなどには効果が低いという特徴があります。そのため、汚れの種類によって洗剤と漂白剤を上手に併用することが大切です。

図1 洗剤と漂白剤のメカニズムの違い
 
図2 漂白剤と汚れの種類


●色柄物に注意 漂白力の強い塩素系漂白剤

  主成分は次亜塩素酸ナトリウムで、「次亜塩素酸」の酸化作用によって漂白されます。漂白力が強いため、色柄物は脱色しやすく、白物に限られます。ですが白物でも変色することがあり、浸け置きした時にワイシャツの襟や袖口部分が黄ばんでしまった経験はありませんか? これはワイシャツの芯地に使われるメラミン樹脂の構造中のアミンと塩素が反応し、黄ばみの原因となる「クロルアミン」ができるためです。この反応は洗濯に限らず、メラミン樹脂製の食器や調理器具でもみられますので、使う前には材質をよく確認する必要があります。

図3 塩素系漂白剤による黄変


●幅広く使える酸素系漂白剤
 塩素系と同じように酸化反応により漂白効果が得られます。塩素系よりも漂白力は低いですが、繊維を傷めずに漂白できるので、白物から色柄物まで幅広く使える利点があります。ただし、家庭用として代表的な商品には過炭酸ナトリウム(粉末)と過酸化水素(液状)を主成分とするものがあり、同じ酸素系でも液性が異なるため注意が必要です。例えば毛(ウール)や絹(シルク)などの繊維はアルカリ性に弱く、弱アルカリ性の過炭酸ナトリウムでは生地を傷めてしまいます。過酸化水素は弱酸性のため、毛や絹を含む幅広い衣類に使える特徴があります。

●用途に応じた使い分けを
 

酸素系漂白剤でもファスナーなど金属部分が腐食したり、接触している布が変色や脱色したりするトラブルが起こるケースがあります。洗濯機で洗剤と併用する場合、必ず洗剤投入口に入れ、漂白剤のかたまりが一部にとどまらないよう注意が必要です。また、塩素系や酸素系の他に「還元型」と呼ばれる漂白剤もあり、鉄分を多く含んだ水による黄ばみや先に述べた塩素系漂白剤によるメラミン樹脂の黄ばみを改善するのに有効です。

大事な衣類を守るためにも使い方を混同しないようすることが大切です。

図4  漂白剤と衣類の組み合せ

 

(2017.06.30)

生活科学研究室