(4)洗濯用洗剤と水の硬度

梅雨入り前に洗濯日和が続いていますね。最近では海外製のさまざまな洗剤もみられますが、日本と海外では水質が大きく違います。洗剤成分と水質は関係がないのでしょうか?  第4回は“洗濯用洗剤と水の硬度の関係”を考えたいと思います。

●水中に含まれるカルシウム、マグネシウムの指標「硬度」
  「硬度」という言葉を聞いたことはあるでしょうか? 水中に含まれるカルシウム、マグネシウムの量を示すもので、カルシウム、マグネシウムの含有量が多く硬度が高いものを硬水、低いものを軟水といい、WHO(世界保健機関)では120mg/L未満を軟水、120mg/L以上を硬水と定義しています。ドイツ、イギリスなど欧州では硬水地域が多く、日本では地域差はありますが40mg/L~60mg/Lの軟水地域が多く分布しています。


Fig.1  硬度範囲


●硬水が及ぼす影響 「金属石けん」
 洗濯物をみると白い粉のようなものが付いていたことはありませんか? これは洗濯用石けん成分の脂肪酸と水中のカルシウムやマグネシウムが反応したもので「金属石けん」とよばれています。水に溶けにくい性質でそれ自体に洗浄能力はありません。そのため、カルシウムやマグネシウムを多く含む硬水では金属石けんが発生しやすく、洗浄効果の低下を招き、布に付着し黄ばみの原因にもなります。国内では石けんの泡立ちへの影響などを考え、硬度が300mg/L以下になるよう水道法により規定されています。

Fig.2  石けんと金属イオンの反応


●洗浄力の低下を防ぐ「水軟化剤」
水中に含まれるカルシウムやマグネシウムはさらに繊維などに付着し、汚れを沈着させる要因でもあります。そのため衣類用洗剤など家庭で使われる合成洗剤の多くは界面活性剤の他にさまざまな補助剤を配合し、洗浄効果を高める工夫がなされています。その一つが「水軟化剤」です。カルシウム、マグネシウムを抑え、洗剤効果を助ける働きをしています。日本製品は国内の水質を踏まえ設計・製造されており、海外など極端に硬度が高い地域で使用する場合、洗浄効果が下がる可能性が考えられます。

洗剤と水質には深い関係があり、一概にどの地域でも同じような洗浄効果が期待できるわけではありません。同じ都道府県でも地域によっては大きく差があり、例えば沖縄県や千葉県などでは100mg/L以上の地域差があります。洗濯物の仕上がりでお困りであれば一度、お住まいの地域の硬度を確認してみてはいかがでしょうか。

 

(2017.06.02)

生活科学研究室