(2)洗剤と汚れの関係について

 “万能洗剤”という言葉を見聞きしたことはありませんか? クエン酸、セスキ炭酸ソーダ、重層など多くの商品が並んでいます。万能といっても一概にどのような汚れに対しても効果があるとは言えません。第2回は“洗剤と汚れの関係”について科学的な視点から考えてみました。

●汚れを落とす基本的要素 界面活性剤の働き
 身近な汚れを落とすには、化学的な働きと物理的な働きを組み合わせた方法がとられます。汚れを落とす商品としてまず頭に浮かぶ洗剤の主成分は界面活性剤です。界面活性剤の働きには①と②があります。①は汚れが付着したものの表面を濡れやすくして汚れを剥がしやすくする働きです。(浸透・湿潤作用) ②は油汚れなど水と混ざりにくいものの表面を包み、水中に混ざりやすくする働き(乳化・分散作用)で、化学的な働きだけでは十分汚れが落ちないこともあります。そのため、ブラシやスポンジで擦るというような物理的な働きを合わせることで 効率よく汚れを落とすことができます。

界面活性剤による働き


●酸、アルカリによる働き
 洗剤メーカーの多くは対象となる汚れごとに酸、アルカリなどの成分を加え、用途に応じた商品を販売しています。界面活性剤だけでは汚れを落すのに限度があり、効果を得るための工夫が必要です。例えば、「水垢」やトイレの便器にできる「尿石汚れ」。これらは界面活性剤の働きだけでは落ちにくく、酸による働きが加わることで汚れを落としやすくします。

 重曹、セスキ炭酸ソーダは弱アルカリ性で、弱いながらも油汚れを水に混ざりやすくしたり、タンパク質やデンプンがこびりついた汚れを柔らかくして汚れを落としやすくします。しかし、石けんや洗剤と比較すると効果は薄く、汚れの程度によっては浸け置きやペーストにして研磨剤として使用するなどの工夫が必要です。
 このように、汚れを効率的に落とすためには汚れの状態と基質(対象)に応じた洗剤を適切に選ぶことがポイントです。

酸、アルカリによる働き

 

(2017.04.28)

生活科学研究室