フジテレビ商品研究所

商品研究レポート

台所用合成洗剤の性能評価

台所用合成洗剤の性能評価

家庭での食事のあとに待ち構えているあとかたづけ・食器洗いは面倒です。素早く、手肌にやさしく洗いたいものです。食器洗い用の洗剤は数、種類も多く、例えば、「除菌」や「肌にやさしい」、「環境にやさしい」など表示されている特長もさまざまです。毎日使うものだからこそ慎重に選びたいものです。そこで市販されている19種類の台所用合成洗剤を4タイプに分け、洗浄力、泡立ちと泡切れ、手肌への刺激について調べました。



評価品一覧

表1は試験を行った洗剤の仕様一覧です。

表1:評価品一覧

試験項目

1) 洗浄力試験(JISが定める台所用合成洗剤の洗浄力試験を参考)
2) 泡立ち・泡切れ試験
3) 肌マイルド試験(卵白のタンパク変性度を目視評価)

試験方法

1) 洗浄力
食器に付着する油汚れモデルとして、既定量の牛脂・大豆油・モノオレインと色素(オイルレッド)をクロロホルムに溶かして調製した汚垢液をビーカーに満たします。スライドガラスの端をつまみ、その中へ一定速度で入れて引き揚げ、一定の量・厚みの汚垢を付着させた後、1時間室内にて吊り干し乾燥させ試験片とします(写真1)。
商品のラベルに表示されている標準使用量に従って、水温30℃の水道水に希釈した洗浄液を調製します(①⑩⑫は標準使用量の記載がなかったため、0.75ml/Lの量で調整)。試験片を6枚1組として重量を測定し、洗剤液とともにリーナッツ試験機にセットし、300rpmの回転数で3分30秒間洗浄を行います(写真2)。スライドガラスを吊り干し乾燥させた後に重量を測定、洗浄前後の重量から洗浄力を算出しました。

写真1:試験片

写真2:リーナッツ試験機

2) 泡立ち・泡切れ
フライパンに0.25mgの洗剤を滴下させてから10mlの水を入れ、水で濡らし固く絞ったスポンジで30回転こすります。このときの泡の状態を目視評価します(泡立ちの評価)。続けて、フライパンに水1リットルを流し入れ、1分後の泡の状態を目視評価しました(泡切れの評価)。なお、泡切れは泡立ちの状態を加味した上で評価しました。これらのテストの結果にバラつきがないように、操作はすべて同じ研究員が実施しました。

3) 肌マイルド性
たまご1個から卵白のみをビンに取り出し、洗剤0.5mlを滴下し、ふたをして逆さにし、元に戻します。さらに左右に5回振って混ぜた後、5分後の色の変化を目視にて評価しました。

試験結果

各試験は全て5段階で評価し、5点が最高点で1点が最低点としました。表2にはタイプ別に洗浄力、泡立ち・泡切れ、肌マイルド性の関係性が分かるように試験結果の写真を貼付し、併せて評価点を記述しました。表3はそれぞれの評価点を合算し、順位をつけた一覧です。

表2:試験結果

表2:試験結果

【洗浄力】
4つのタイプを比べると、洗浄力は「除菌」タイプが極めて高い傾向にありました。「除菌」タイプは本来、まな板とスポンジへの除菌効果を謳っているものですが、洗浄力にも効果をもたらしているのかもしれません。「スタンダード」「肌マイルド」タイプも洗浄力は満足できる結果が得られ、洗浄力の評価ポイントが4以上のものは界面活性剤の配合率がおよそ30〜40%と高いことが共通していました。一方「環境にやさしいタイプ」は⑱を除いて洗浄力が低い傾向にありました。環境に配慮した配合ということで石鹸系のものが多く、洗浄力が低くなったと思われます。なお、⑭⑱は「肌マイルド」「環境に優しい」タイプの中でも、表示されている目安の使用量が多いため洗浄力が高くなったと考えられました。

【泡切れ・泡立ち】
泡切れは泡立ちを加味して評価を行い、泡立ちが悪いもので完全に泡が消えていないものは1〜2としました。泡立ち・泡切れは分類したタイプごとで傾向はありませんでした。「泡切れ」の良さを表記している④⑤⑪は泡が立ち、さっとすすげることが分かり、表記されている特長を確認することができました。しかし、同じく「泡切れ」表記のある②③では泡がそれほど立たないにもかかわらず泡が残り、泡切れの良さを確認することができませんでした。「環境にやさしいタイプ」は泡立ちが悪く、⑭⑯という石鹸系では他の洗剤の約4倍の使用量(洗剤濃度)であるにもかかわらず泡立ちの悪さが際立ちました。

【肌マイルド性】
肌への刺激が少ないと思われる「肌マイルドタイプ」では、花王とライオンの⑪⑬はタンパク変性がほとんどない反面、⑫⑭はタンパク変性が確認され、評価が分かれました。これは⑫⑭の液性が弱アルカリであることも影響していると思われます。肌マイルドを謳っていない「除菌」タイプの⑤⑦⑧はタンパク変性が少なく、特に⑧は「肌マイルドタイプ」の⑪⑬と同じレベルでした。「環境にやさしいタイプ」は白濁が強く現れる傾向にあり、「環境に優しい」は肌に優しくない結果でした。

まとめ

台所用の洗浄力、泡立ち・泡切れ、肌マイルド性すべての項目において高い性能があったのは⑤キュキュット(花王)でした。全項目で評価が3以上とバランスがよかったものは⑦⑧⑪⑬でした。④は洗浄力、泡立ち・泡切れの性能は高い反面、手肌への刺激が強い傾向でした。①⑩⑫は洗浄力、泡立ちは良い傾向にありましたが泡切れ、手肌への刺激で評価が低くなりました。「環境にやさしいタイプ」は全体的な性能が低く、使用量も多い傾向にありました。

台所用洗剤を選ぶ際に、洗浄力を重視するなら「除菌」表示があるものや界面活性剤の配合率が高いものを、手肌への刺激が少ないものなら「肌マイルド」の表示があり、液性が弱酸性や中性のものがお薦めです。また、コストパフォーマンスや使い勝手では、少ない量でもよく洗えるもの、泡切れがよいものを選ぶとよいでしょう。

(2015.02.12 生活科学研究室)

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