フジテレビ商品研究所

商品研究レポート

柑橘類の皮で油汚れを取る!

柑橘類の皮で油汚れを取る!
柑橘類の皮で油汚れを取る!

オレンジやレモンなどの柑橘類(ミカン属)の果皮には、リモネンという精油成分(エッセンシャルオイル)が豊富に含まれています。このリモネン(図右)は、その爽やかな香りと共に、油性の汚れを落とすことができ、天然の溶剤として台所洗剤などにも使用されています。
 テーブルなどに付いてしまった油性マジックは、一旦乾いてしまうと住宅用洗剤などを使ってもなかなか落ちません。そこで、この果皮を使って、どのくらい落とすことかできるのか、汚れ落とし実験を行いました。

試験の概要

 9種類の柑橘類の果皮を集め、油性マジックとクレヨンの落書き汚れの汚れ落ちを評価しました。

実験方法

実験方法

 柑橘類の果皮の表面に見えるブツブツ(写真上)は、「油胞」といって、中に柑橘類独特の香り成分である「リモネン(Limonene)」という精油成分(エッセンシャルオイル)を豊富に含んでいます。リモネンは、台所洗剤の成分などにも利用されている油分で、一部の樹脂や油を溶かす溶剤としての機能を持っています。

 実験に使用した柑橘類は、表1に示す、オレンジやレモン、みかんなど、10月に入手可能だった9種類としました。リモネンを含む油胞は、果皮の表面の黄色部分にしかないため、皮むき器で薄く剥き、不織布の袋(排水口用の袋)に入れ、よく揉んでその精油を染み出させ、すぐに汚れをよくなじませるように擦りました。汚れ落ちの対照として、布巾(ふきん)のみで擦った場合も試しました。

試験結果

1)マジックインキを落とす
 一晩放置後の黒、赤、緑のマジックインキの落ち方を表1に示しました。
 9種類のうち、温州みかん以外の8種類は、よく落とすことができ、8種類については、汚れ落ちの差はほとんど感じられませんでした。ただし、温州みかんだけは、擦って落とすのに時間がかかり、他の柑橘類に比べ温州みかんの洗浄力は弱いという結果になりました。

2)クレヨンを落とす
 クレヨンの落書きを落とす実験も行ないました。クレヨンの落書きは、マジックと違って、ティッシュや布巾などで丹念に擦ってようやく落とすことができました。しかし、果皮で擦ると、一瞬にして、するりと簡単に落とすことができ、油性マジックが苦手だった温州みかんでもクレヨンはスムーズに落とすことができました。

表1 :  柑橘類の皮による汚れ落ち実験

一石三鳥の天然素材

 今まではそのまま捨ててしまっていた果皮ですが、今回の実験で、役に立つ素材だということが分かりました。果皮を不織布の袋に入れることで、染み出した果皮液を含んだ不織布で擦ると、液と油汚れがよくなじみました。そして、不織布が油汚れをそのまま吸着してくれます。その上、果皮のカスも散らからずに、そのまま捨てることができ非常に便利でした。また、汚れを落とすだけでなく、柑橘類の香り成分には、消臭、抗菌効果もあります。いろいろな汚れに試してみてはいかがでしょう。
 ただ、一部のプラスチック素材を溶かしたり、塗装していなかったりする白木や壁紙など水分を吸う素材では黄色く着色することがあります。また、皮膚につけたまま日光を長時間浴びるとかぶれやシミになることもあるので、作業後は手を洗い、手指に付いたリモネン等を必ず洗い流すようにしてください。

 オレンジやグレープフルーツの果皮は、汚れを落とす力も大きく、果皮が剥きやすく、使いやすい素材です。いろいろな洗剤や便利な用具もありますが、これからは、まず果皮を取ってから、おいしく召し上がってはいかがでしょうか。

表2 :  果皮による油汚れ落としの手順

(2013.11.01 生活科学研究室)

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