フジテレビ商品研究所

今までの研究レポート

野菜の短期間保存に洗浄は有効?

~ レタスとミズナで検証 ~



 使いかけの野菜や買い置きをした野菜をそのまま冷蔵庫に入れておくと、いつの間にか傷んでいると感じませんか?
 野菜の腐敗は付着する微生物に因るところが大きいといわれています。野菜についた汚れや傷んだ部分には微生物が多く付着しており、汚れた野菜は他の野菜を傷めてしまうことも。
 保存するときも、汚れを落としてから保存をした方が傷みの進みが遅くなるのではと考え、実験を行いました。

野菜の短期間保存に洗浄は有効?~ レタスとミズナで検証 ~

野菜の短期間保存に洗浄は有効?~ レタスとミズナで検証 ~

レタスとミズナを洗って保存

 今回は「細菌」に注目し、水道水での洗浄の有無で冷蔵保存した場合に、野菜に付着している菌数に違いがでるか、検討しました。
 野菜は、葉物野菜のレタスとミズナを使用しました。レタスは、外葉ほど微生物が付着していることが多いといわれているため、3~12枚目を使用し(図1)、外側の葉と内側の葉を4枚(約120±10g)組み合わせました。ミズナは約2株(約80±20g)使用しました。

図1 レタスの葉 3から12の間で組み合せて実験に使用した。

 洗浄方法は、家庭で行われることが多い、「流水で洗う」と「容器に水道水を溜めて押し洗い」の2通りとしました(図2)。流水洗いの方法は、シャワー機能で60秒間、水で洗いました。押し洗いの方法は、直径26㎝のボウルに水をためて20秒間押し洗いをし、水を入れ替えて3回繰り返しました。
 洗浄したレタスはキッチンペーパーで1枚ずつ、ミズナは全体をキッチンペーパーで挟んで水分を拭き取りました。冷蔵庫保存をする試料は、キッチンペーパーで野菜を包み、食品保存用ビニール袋(チャックなし)に入れ、冷蔵庫の野菜室(5~7℃)で3日間保存しました。実験は3回行いました。

図2 レタス・ミズナの洗浄方法

洗浄で菌数は減少する

 洗浄直後と冷蔵庫保存後の野菜に付着する細菌を次の方法で培養し、一般細菌数(生菌数)を測定しました。

 レタスは約1㎝角に、ミズナは根元を除いて約1㎝長さに切り、各々約10gずつ量り取りました。リン酸緩衝液90㎖で均質化処理をした液1㎖を標準寒天培地で混釈培養しました。
 培養条件は、35℃で48±3時間培養(ここでは中温細菌と表現。20~40℃位で生育しやすい細菌とする)し、5~7℃で5~6日間培養(ここでは低温細菌と表現。低温でも生育しやすい細菌とする)しました。

 結果を図3に示しました。中温細菌数が低温細菌数よりも多く、試料によって菌数のバラツキが大きいことが分かりました。ミズナは土がついた状態で販売されている場合があるため、菌数が多いと考えられます。
 レタスとミズナ共に、洗浄しても一般細菌数(生菌数)は0にはなりませんが、減少傾向を示しました。さらに、押し洗いよりも流水洗いの方が、菌数が減少する傾向でした(図3 A,C,E,G)。

 冷蔵保存した場合の菌数は、レタス・ミズナ共に、洗浄の有無に関わらず、増加する傾向を示しました(図3 B,D,F,H)。中温細菌数では、未洗浄よりも洗浄をした方が菌数の増加は少ない傾向でした(図3 B,D)。低温で保存したため、菌数が増えにくかったと考えられます。低温細菌数は、洗浄したものと未洗浄とで、同程度の菌数を示す場合がみられました(図3 F,H)。野菜の洗浄で水分が付き、低温細菌が生育しやすい環境になったためと考えられます。

図3 レタスとミズナの一般細菌数(生菌数)

洗浄しても、保存期間は短めに

 今回の結果では、葉物野菜を洗浄すると、全体的な菌数が減少するため、保存中の傷みの進行が遅くなると考えられます。この実験では実施していませんが、食中毒菌も同様に減少傾向になると考えられます。しかし、洗浄しても細菌数は0になりませんので冷蔵庫で保存した場合も食材の傷みは避けられません。
 家庭では、食べられる量を購入することも良いですが、保存する場合は短期間保存であれば、流水洗い後、水分をしっかり拭き取って冷蔵保存するのも有効でしょう。

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(2020.4.13 食品料理部門)

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