フジテレビ商品研究所

今までの研究レポート

もっちり食感を家庭で手軽に

~7種の粉を使ってパンケーキの食感を比較 ~



 タピオカブームで人気の“もっちり”食感。家庭で手軽に作れるスイーツといえば、ミックス粉を使ったパンケーキではないでしょうか。今回はホットケーキミックスに市販の粉をプラスして、もっちり感のあるパンケーキ作りができないか試みました。

7種の粉を使ってパンケーキの食感を比較

パンケーキを作る

 「もっちり」とは1回噛むことで感じる食感を表すのに対し、「もちもち」は数回噛んだ場合を指すといわれています。今回はもっちり感を物性測定と食味で評価しました。

 使用した粉はA~Gの7種類(表1)。すでに必要な材料を混ぜ合わせてあり、手軽に使用できるホットケーキミックスを基本の粉として用いました。基準のAはホットケーキミックス100%(50g)、その他はホットケーキミックス70%(35g)にB~Gの粉を30%(15g)混ぜ込みました。白玉粉はフードプロセッサで粉砕して使用しました。

 牛乳105gと卵1個(56g)を混ぜた卵液52g に、粉50g を加えて50回混ぜ、ホットケーキミックスのパッケージに記載されている作り方を参考にフッ素樹脂加工フライパンを使用して、片面6分、返して2分焼き、ケーキクーラーで5分冷ましました。

生地の形と物性測定

 表1に形を示しました。でん粉を加えた【B、C、D】は粘りの緩い生地で直径が大きく、高さは低い結果となりました。粘りの弱い生地のため広がりやすく、気泡が抜けやすくなり膨らみにくかったと考えられます。

 米粉を添加した【E、F、G】はとろっとした粘度のある生地で直径は小さく、生地の粘りで気泡が抜けにくく高さが出たと考えられます。

 次に物性を測定しました。パンケーキを8㎝四方に切り、4等分したものを1片ずつ測定に用いました。測定にはテクスチャーアナライザEZTestシリーズ(㈱島津製作所)を用いました。生地が割れ始めたときに押し棒に掛かる力(①破断点の応力)と生地の歪み(②破断点の歪み率)、生地の弾力(元の形に戻ろうとする力)を示す弾性率(③今回は歪み率0〜30%間の傾き)を求めました(図1)。

 結果から、基準としたAのホットケーキは高い歪み率のわりに破断点の応力が低いことがわかります。柔らかく、しなやかな生地ではありますが、弾力は弱いものと考えられます。その他の粉は、【B、C、E】と【D、F、G】に大きく分けられることがわかりました(図2)。

 【B、C、E】は破断点の応力や歪み率が高く、弾性率が低い傾向でした(図3)。生地が割れ始めるには強い力が掛かり、力を加えても生地は割れにくく、しなやかであることがわかりました。弱い弾力のあと、最後に強く噛み締めてパンケーキを噛み切るグループであると考えられます。

 【D、F、G】は【B、C、E】とは反対に、破断点の応力と歪み率が低く、弾性率が高い傾向を示しました(図3)。パンケーキを押し始めてから比較的弱い力で割れ始めますが、弾力のある生地であることがわかりました。また、Dのコーンスターチはこのグループの中では歪み率が高い傾向であり、より形が崩れにくい性質をもつことがわかりました。

表1 使用した粉の種類と焼き上がりの形

図1 応⼒‐歪み曲線のモデル波形

図2 応力と歪み率の線図

図3 パンケーキの物性値( n= 20 )

食味評価

 食感を中心に、研究員3名で食味し、もっちり感、噛み応え(弾力)、ふんわり感を評価しました。

 Bのタピオカ粉とCの片栗粉はもっちり感が強く、ふんわり感や噛み応えは弱い評価でした。物性測定での高い応力と歪み率がもっちり感を示し、さらに低い弾性率が弱い噛み応えと一致しています。Bは生地が伸びるような感覚がありますが、Cにはこの食感はやや薄く、その分ふわっとしていて、最もバランスが取れておいしいとの評価でした。Dのコーンスターチは、噛み応えがありながらも水分が少なく軽い食感になりました。Gの製菓・料理用米粉はもっちり感は弱く、噛み始めに引き締まった感じの弾力があり、しっとりとして高さもあることからスポンジケーキのような食感になったと考えられます。Eの白玉粉は、粉の粒がそのまま生地に残り、加えてネチョネチョとした生焼けのような食感が評価を大きく下げました。同様に、Fの上新粉も強いパサパサ感と細かい砂を噛んでいるような食感があったことから、今回の方法で作るパンケーキにEとFは食味、食感の観点から適さないことがわかりました。

まとめ

 ホットケーキミックスにさまざまな粉を加えた場合、最ももっちりとするのはタピオカ粉でしたが、片栗粉を使用するとタピオカ粉の食感に近くなることもわかりました。片栗粉はタピオカ粉よりも常備しやすく、より手軽にもっちり感を再現できるといえます。

 他の粉もそれぞれ特徴的な食感となりました。

 フルーツやメープルシロップ、ジャムなどをトッピングしたり、B L T 風や卵サンド風にしたり、さまざまな食感を楽しんでみてはいかがでしょうか。 

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(2019.10.1 食品料理部門)

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