フジテレビ商品研究所

今までの研究レポート

おいしいおにぎりを作るコツ

おいしいおにぎりを
作るコツ

行楽や運動会のシーズンは、おにぎりを作る機会も多い。
主材料はご飯のみ、基本的な調味料は塩のみ、調理方法は握るだけ―。
誰もが作れる極めてシンプルな料理だけに、
「失敗はしてはいないはずだが、はたしてこれでよいのか…」と、
自分が作るおにぎりのレベルが気になる方のために、
おいしく作るコツを探ってみた。

研究目的

ご飯と塩だけで作るシンプルな「塩にぎり」を作り、ご飯の温度、塩の量、塩味のつけ方、握り方を比較し、おにぎりのおいしさについて検討する。

実験材料および調理方法

米 (材料) 滋賀県コシヒカリ 24年産
塩 (材料) 食塩(財団法人塩事業センター)
炊飯器 タイガーIH炊飯ジャー JKC-J100
炊飯方法 米3合(450g)を洗米(20回攪拌×4回)した後、水を加えて1125gにし、白米コースで自動炊飯した。なお、炊飯後の平均重量は1060gだった。

ご飯の温度

①炊き立ての温かいご飯、または ②冷ましたご飯を用い、作りやすさと味を比較した。

《条件》
おにぎり容器A(写真1)に塩0.5gを広げ、①温かいご飯、または ②冷ましたご飯100gを入れて閉め、各辺を上にして5回×3辺×2巡ずつ振って(写真2)形作った後、手で軽く握った。ラップに包んで室温に放置し、1時間後に試食した。

写真1 おにぎり容器A
写真1 : おにぎり容器A

写真2 辺を上にして振る
写真2 : 辺を上にして振る

《結果》
温かいご飯の方が評価が高かった。
冷ましたご飯は、おにぎり容器Aに入れて振っただけでは上手にまとまらなかった。また、温度が低いために表面の塩をが溶けず、味のムラが生じておいしく感じられなかった。
ご飯の硬さについては、温かいご飯で作ったおにぎりも、冷めてしまうと差はなくなってしまった。

塩の量

形作ったおにぎりに振る塩の量を3段階に設定し、適度な塩加減を検討した。

《条件》
おにぎり容器Aに塩①0.5g、または ②1.0g、または ③1.5gの塩を広げ、温かいご飯100gを入れて閉め、各辺を上にして5回×3辺×2巡ずつ振って形作った後、手で軽く握った。ラップに包んで室温に放置し、1時間後に試食した。

《結果》
1.5gは誰もが塩味が強過ぎると感じ、1.0gは「具が入らないならちょうどよい」、「まだ塩味が強い」、と評価は二分した。
0.5gは塩味が控えめと感じる人がいたものの、具がなくても物足りなさはなく、具とのバランスもとりやすいと判断した。

塩味のつけ方

100gのご飯が塩0.5gを含むように調整して、3通りの塩味のつけ方を検討した。

《条件》
塩味のつけ方は、次の3通りである。

① 塩炊き 水に塩5.3gを加えて、米450gを炊く。おにぎり容器Aに温かい塩炊きご飯100gを入れて閉め、各辺を上にして5回×3辺×2巡ずつ振って形作った後、手で軽く握った。
② 塩混ぜ 温かいご飯1060gに塩5.3gを加え混ぜる。①と同様に成形した。
③ 塩振り おにぎり容器Aにラップを敷いて塩0.5gを広げ、温かいご飯100gを入れた。①と同様に成形した。

作ったおにぎりはラップに包んで室温に放置し、1時間後に試食した。
研究員10名で、塩味の強さと好み、甘みの強さと好み、硬さの強さと好み、総合評価に順位をつけ、順位法によって検定した。
※順位法とは、順位の合計から順位付けの有意性を求める検定方法。クレーマーの有意差検定法を用いることが多く、3個の試料を10人で判定する場合、合計が「15-25」の基準となる数値外であれば5%の危険率で有意差があると判定でき、「13-27」の外であれば1%の危険率で有意差があると判定できる。

《結果》
表1に集計と検定結果を、表2に評価の傾向をまとめた。
「塩振り」は、他より塩味が強く、硬いと感じ、甘みは感じないと評価された。
「塩混ぜ」は、おにぎりを口に入れたときに舌に直接、触れる塩の量が少ないため、他より甘みを強く感じると評価された。
総合評価では、半数が「塩炊き」を一番おいしい、と評価した。

表1 : 塩味のつけ方 集計と検定結果
表1:塩味のつけ方 集計と検定結果

表2 : 塩味のつけ方の評価
表2:塩味のつけ方の評価

握り方

「塩炊き」ご飯を用い、3通りの握り方を比較した。

《条件》
握り方は、次の3通りである。

① 固握り ラップにご飯100gをとり、手でしっかり握った。
② 型詰め おにぎり容器B(写真3)の受け側にご飯100gを入れて蓋で押し、形作った。
③ 振り握り おにぎり容器Aにご飯100gを入れ、各辺を上にして5回×3辺×2巡ずつ振って形作った後、ラップに包んで手で軽く3回握った。

写真3 おにぎり容器B
写真3 : おにぎり容器B

作ったおにぎりはラップに包んで室温に放置し、1時間後に試食した。
研究員10名で、粘りの強さと好み、握りの強さと好み、総合評価に順位をつけ、順位法によって検定した。

《結果》
表3に集計と検定結果を、表4に評価の傾向をまとめた。
「固握り」は、ご飯粒がつぶれるために他より粘りが強くて、それを好ましくなく感じ、また握りが強くて、それを好ましくなく感じた。総合評価も好ましくないという結果であった。
「振り握り」は、他より粘りが強くなくて、それを好ましく感じ、握りが強くないと感じた。
総合評価では、「固握り」の評価が最も低く、「型詰め」「振り握り」は同程度の評価であった。

表3 : 握り方 集計と検定結果
表3:握り方 集計と検定結果

表4 : 握り方の評価
表4:握り方の評価

《大きさとご飯の状態》
炊飯時にしょうゆを加えて色をつけ、上記と同様の3通りの握り方でおにぎりを作り、半分に割った面の写真を比較した。
写真4のように、大きさは、大きいものから順に「振り握り」、「型詰め」、「固握り」であった。
「固握り」はご飯粒が密着し、粒の形がつぶれている(写真5)。
「型詰め」は、均一にふんわりとしている。
「振り握り」は、外側はほどよく固まって中はふんわりとしている。

写真4 各おにぎりの大きさ
写真4 : 各おにぎりの大きさ(左から「固握り」、「型詰め」、「振り握り」)

写真5 各おにぎりの断面
写真5 : 各おにぎりの断面(左から「固握り」、「型詰め」、「振り握り」)

まとめ

温かいご飯を使うと塩がなじみやすいこと、具が入らない「塩むすび」であれば塩分は0.5%程度が適当であることがわかった。具入りであれば、外側に振ったり炊き込んだりする塩は、もっと少なくても十分と思われる。
塩味のつけ方と握り方の評価を合わせると、「塩炊き」ご飯を「振り握り」したおにぎりが好ましい、という結果になるが、「塩振り」「型詰め」を好ましいとした人も少なくなかった。
冷たいご飯を使う塩味をつけ過ぎる粘りが出るほど固く握るNG3カ条に気をつければ、誰もが好評価のおにぎりを作ることができる。あとは、塩の量や塩味のつけ方、握り方をいろいろと試して「自分好み」「家族好み」を見つけられれば、より“おいしいおにぎり”に近づくであろう。

お勧めのおにぎり

《塩炊き》
「塩炊き」は急ぐときや、数多く作るときにはとても便利。塩分濃度0.5%の場合は、米3合(10個分)に対して塩小さじ1弱を加えて炊く。

《振り握り》
お碗などの容器を2つ用意し、ご飯を入れたら2つを合わせ、軽く振りまとめる。形作るために、軽く3回ほど握る。

振り握りの作り方

(2013.10.18 食品料理部門)

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