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研究レポート

日本防菌防黴(ぼうばい)学会
日本防菌防黴(ぼうばい)学会・発表

美術館のカビ被害を防ぐ

大阪の千里ライフサイエンスセンターにて、日本防菌防黴(ぼうばい)学会第36回年次大会が開催されます。そのうちのプログラムの一つとして、IPM研究室室長の川上が研究発表を行いました。

日 時 2009年9月14日(月)〜15日(火)
主 催 日本防菌防黴(ぼうばい)学会
(大会委員長 関西大学化学生命工学部 土戸哲明)
場 所 千里ライフサイエンスセンター
研究発表 「美術館のカビ被害を防ぐ」
(大会2日目 シンポジウム4「文化財のカビ汚染の現状と対策」内にて)
IPM研究室室長 川上裕司
要 旨 [目的]
 日本の高温多湿な気候を原因とする生物被害から美術品を守るため、美術館では臭化メチルを含む燻蒸剤が使用されてきた。しかしながら、臭化メチルが2005年に全廃され、現在主流になりつつあるのが、IPM(総合的有害生物管理)である。演者は、IPMの観点から美術館における害虫やカビの調査と対策のアドバイスを行っている。本大会では、ある美術館におけるカビの実態調査とその対策事例を中心に「美術館のカビ被害対策」について報告する。

[調査法]
1)空中浮遊真菌の測定(DG-18培地:エアーサンプラー・SASスーパー100CR,pbi)
2)作品および室内の床等の付着真菌の測定(滅菌スタンプ瓶,滅菌綿棒)
3)温度と湿度の測定(サーモレコーダー・RS-12,Especmic)を実施した。

[調査結果と対策]
 バックヤードや収蔵庫が局所的に高湿度になっており、収蔵品の約70%にカビ発生が認められた。収蔵庫や書庫の浮遊真菌濃度(CFU/m³)が高く、耐乾性のカビも多く分離された。Foxing原因菌であるAspergillus penicillioidesEurotium herbariorumやアレルゲンとなるカビが分離された。大量に繁殖浮遊した場合には、美術品の劣化ばかりでなく、美術館職員や来館者に健康被害を及ぼすことが懸念された。対策として、①作品の除菌処理、②業務用大型除湿機やファンの設置、③保管法の改善などを実施した。

(2009.09.07 IPM研究室

環境科学研究室では、「ダニ」「カビ」「微小昆虫類」「抗菌性評価」など
室内環境の有害生物の研究・調査に対応いたします。

【室内環境生物分野の試験および研究】
  • 室内環境中で健康被害を及ぼすダニ・微小昆虫類・カビなどの研究
  • 喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルゲンとなる生物の研究
  • 大学や国公立の研究機関との共同研究
  • 空気清浄機の除菌性能評価、抗菌素材の性能評価などの商品実用試験
  • 異物混入検査

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