vol.70 高気密・高断熱住宅って・・・注意点


 一般の日本の住宅は、床面に近いほど室温が低くなり、天井に近くなるほど高くなります。天井付近と床付近の温度差が10℃以上になる場合もありますが、高気密・高断熱住宅にすることで、室温の均一化を図ることができ、温度差を2〜3℃程度に抑えることができます。夏場と冬場の温度差も少なくなるため、冷暖房費が削減できるエコな住宅として注目されています。

 一般の住宅では、窓や床など、建物の隙間から空気が流れ込み、風や室内外の温度差から自然換気されます。当然のことながら、木造住宅より鉄筋コンクリート住宅の方が自然換気の回数は少なくなります。換気回数が減ることで、室内の空気の汚染濃度が高くなりますので、建築基準法では、居室で2時間に1回以上、室全体の空気が入れ換わる量の換気ができる換気設備の設置が義務づけられており、現在、ほとんどの新築物件では24時間換気設備になっています。

 ここで言う空気汚染物質とは、建材、家具、接着剤から出るホルムアルデヒド、コンクリートなどから出るラドンガス、カビ・ダニの発生、タバコ・燃焼機器等が原因の一酸化炭素、呼気から発する二酸化炭素などさまざまなアレルギー物質を指します。一定の換気を行わないと、室内の空気の汚染濃度は高まっていきますので、特に、高気密・高断熱住宅の場合は、計画換気が必要といえます。


 24時間換気設備のある住宅にお住まいの方は、この設備管理をしっかりとしなければなりません。

  1. 24時間換気扇は、通常は電源を入れっぱなしにしておきます。切るのは屋外で有毒ガスが出た時やメンテナンスの時ぐらいです。常に運転をしておく必要があります。
    余談ですが、24時間換気の意味を理解していなかった私は、電気代の節約を考えて2年ほど、電源をOFFに・・・。この時、北側の部屋の結露がひどくなり、部屋中にカビを発生させてしまった経験があります。電源をONにしたとたん結露が解消し、24時間換気扇の電源をOFFにしてはいけないと実感しました。
  2. 気温が穏やかな春や秋といった中間期は窓を開け、通風換気を行いましょう。
  3. 居室等にある換気口は塞いではいけません。
  4. 外気の取り入れ口には細かいメッシュの金網やフィルターが取り付けられています。そこが詰まると換気が悪くなりますので、定期的な掃除が必要です。

ラドンガスとは、ウランやトリウムから派生する天然の放射性ガス。土壌、岩石、コンクリートから、空気中にラドンは放出されます。WHO(世界保健機関)では100Bq(ベクレル)/m3以上のラドンガス濃度の家は対策の必要があるとしています。住居の気密性が高まることで、ラドンガスが原因の肺がんリスクが高まると言われています。

(2017.5.12)

生活科学研究室