vol.32 スズムシの上手な飼い方
〜毎年、美しい音色を楽しむことができます!〜

 子供の夏休みの自由研究のアイテムとして「アゲハチョウの育て方(VOL.30)」をご紹介しましたが、今回は「スズムシの育て方」をご紹介します。

 スズムシは、夏から秋にかけての虫ですが、毎年、土に卵を産み付けます。上手に育てれば、毎年、卵から孵して、澄んだ美しい音色を楽しむことができます。育てかたは以下を参考にしてください。


スズムシの上手な飼い方

【用意するもの】

① 透明なプラスチック容器(30センチくらい)
② 土(赤玉土、鹿沼土の小粒なもの)
③ 板目紙
④ プラスチックの板
⑤ 割りばし
⑥ ビンのふた
⑦ 市販の「スズムシの餌」か「削り節」、きゅうり、なす

 スズムシを入れるプラスチック容器①は、市販のお店で売っているものでかまいません。内側がすべすべしていて透き通っていて観察しやすいものを選びましょう。土②は、園芸店などで売っています。できるだけ小粒のものを選んでください。板目紙③は、方眼の付いた厚紙で、文具店等で購入できます。プラスチックの板④は、工作用のものなどでかまいません。 スズムシは、ペットショップで手に入れられます。「スズムシのエサ」と一緒に購入しましょう。


スズムシの上手な飼い方

【スズムシの住み家をつくる】

 土はそのまま入れず、新聞紙を広げて、5〜6時間日光消毒します。次にプラスチックの容器に土を3cmくらい敷き、霧吹きで水分を含ませます。

 その中に、スズムシの隠れることのできる「スズムシマンション」を数個置きます。 「スズムシマンション」は板目紙で作ります。スズムシは昼間でも隠れるのが好きなのと、大きくなるにつれて何度も脱皮をします。このときに体を固定する場所が必要なので、このような隠れ家が必要になります。

 エサ台は割り箸とプラスチックの板を使って作ります。短く切った割り箸を2本並べ、その上に長方形に切ったプラスチックの板を置きます。

 準備ができたら、スズムシを6~8匹入れます。


スズムシの上手な飼い方

【エサの与えかた】

 エサは、市販の「スズムシのエサ」と、きゅうりと、なすを毎日与えます。きゅうりとなすは、輪切りにしてエサ台の上に置きます。カビが生えないように毎日交換してください。

 「スズムシのエサ」は、スズムシの成長に必要なたんぱく質を補給するもので、スズムシはこのエサをたくさん食べます。ビン詰めの蓋にエサを入れてケースの中に置き、切らさないよう、こまめに入れてください。
 「スズムシのエサ」が手に入らない場合は「削り節」をすり鉢ですって粉にして与えます。


【産卵の準備と卵の保管】

 成虫になったスズムシは、しばらくは美しい声で鳴いていますが、そのうちにかすれがすれになり、やがて死んでいきます。この頃になると、死んだオスをメスが食べることもありますが、これはお腹の中の卵を成熟させるために食べるので(実はタンパク質を補給しているので)おかしなことではありません。

 この頃になったら、産卵用に土を交換するのがベストです。土は小粒の鹿沼土と交換します。入れる前に日光消毒をしてから入れるようにしてください。土は3cmより多めに入れます。土を交換すると、そのまま使うよりも、かびが生える可能性が低くなります。

 メスが死んでいたら産卵を終えていますので、すぐに取り出します。

 スズムシが全部死んでしまったら、土の上をきれいに片付けて布か紙でふたをして保管します。土が乾いてきたら軽く霧を吹くなどをして適度に水分を与えます。表面にカビが生えてきたら、すぐに周囲の土といっしょに捨ててください。保管場所は、陽の当たらない風通しのいい場所に置いてください。


【幼虫の育て方】

 翌年の5月の半ばを過ぎると、スズムシが孵化します。孵化したら、エサをあげてください。スズムシの子は2mmくらいしかありませんので、よく注意をして観察してください。エサは成虫と同じものでかまいませんが、あまり水気の多い状態で与えると幼虫がエサに貼りついて動けなくなるので、注意しましょう。

 上手に育てると、再び“リーン、リーン”という美しい音色を聴くことができるでしょう。


スズムシの上手な飼い方

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(2019.9.30改訂版)

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