(119)グローバル社員の士気高揚を

住友商事 広報部長・平野竜一郎氏

日本工業新聞社の経済情報紙「フジサンケイ ビジネスアイ」にて、広報部門のエキスパートに取材をしてご紹介しております。

フジサンケイ ビジネスアイ
コーナー 「広報エキスパート」
取材先 住友商事 広報部長・平野竜一郎氏
新聞発行日 2020年8月20日(木)掲載

広報のプロに広報戦略を聞く。広報エキスパート

【プロフィル】
平野竜一郎氏(ひらの・りゅういちろう)
1988年早大政経卒、住友商事入社。大阪配属以降、金属事業(鋼管)畑を歩み、ロンドン、オスロ、本社経営企画部、北京などのキァリアを経て、2016年にノルウェー支店長から広報部へ異動。19年から現職。


─創立100周年を迎えました
 昨年の創立100周年を機に、新たなコーポレートメッセージ「Enriching lives and the world」を策定しました。健全な事業活動を通じて、社会や世界中の人々の暮らしをより豊かにしていきたいという住友商事グループの誓いとして、約3年にわたり、延べ3000人を超える世界のグループの社員が議論に参加して決定しました。


─さまざまな周年事業が行われました
 核となったのが17年に始まった「22世紀プロジェクト」です。国内外の住友商事グループの拠点、企業から中堅・若手の「22世紀アンバサダー」を募り、3年がかりで「住友商事グループの強みは?」「次の100年に向けてどう進むか?」を、社内外調査も交えて自分事として繰り返し議論し、多くの企画が実行されました。コーポレートメッセージもこの一環で生まれたものです。中でもSDG’sは若い世代の関心が非常に高く、このプロジェクトで「100SEED」という社会貢献プログラムが生まれ、今年から正式にスタートしています。


─企業広告「未来設計図」篇が注目されました
 住友商事グループは、金属、輸送機・建機、インフラ、メディア・デジタル、生活・不動産、資源・化学品の6つの事業部門と国内・海外の地域組織が連携し・グローバルに幅広い産業分野で事業活動を展開しています。総合商社は、世界中を飛び回り、大きなビジネスを動かす華々しいイメージがある反面、なかなか身近に感じていただけません。そこで17年から展開したのが、「未来設計図」の企業広告です。


─内容は
 当社のマテリアリティー(重要課題)をテーマに各事業の未来像をアニメーションにしました。アニメは未来感を表すのにふさわしく、取り組もうとしている事業を知られることもありません。「世界が待っている幸せを。」という結びのキャッチコピーは、現在の「Enriching lives and the world」に通じています。イラストレーターの岡田丈氏に未来図を描いていただき、明るい未来感がお客さまや社員からも好評でした。19年からは、周年記念で刷新したCM展開を行っています。


─広報体制は
 広報部は報道と制作の2チームから成り、総勢32人です。報道チームはマスメディア対応、制作チームは社内報やホームページの運用をはじめ自社メディアでの発信を行っています。昨年度は新たなコーポレートメッセージをもとに「豊かさって、なんだろう?」(コーポレートメッセージ編)、「一歩一歩が未来を彩る。」(「足跡」編)などテレビCMや新聞・交通広告を展開しました。グループ社内報にも力を入れています。当社は現在、国内22カ所、海外114カ所に事務所があり、連結ベースでの社員数は7万人に上ります。本社の経営方針を全世界へ浸透させることはもちろん、地域間の横連携を促すことも大きな狙いのひとつです。例えば、アメリカで働く社員は、中東やアフリカで進めている事業や現状を知る機会が多くありません。各国で取り組んでいる事業、活躍している社員を積極的に紹介し、刺激を与えることによってグローバル社員のモチベーションを高める一助にしたいと思っています。


─スポーツクライミングに協賛しています
 東京五輪の公式競技に採用され、飛躍的に人気上昇中のスポーツです。困難な壁に立ち向かう姿は、さまざまな社会課題を解決し豊かな社会づくりに貢献したい住友商事グループの企業理念に通じると考え、18年からゴールドスポンサーとして協賛しています。原田海選手には当社のイメージキャラクターとして登場してもらっています。


─今後の広報について
 届けたい人に届かない情報ギャップを解消し、発信内容、媒体を熟慮しながら、住友商事グループのサステナビリティ経営へのコミットメント、住友商事流の新たな働き方、次世代を見据えた取り組みなどを積極的に発信していきたいと思っています。フェースブックによるグローバルな情報発信もその一つの試みです。



(エフシージー総合研究所 山本ヒロ子  -随時掲載)