(118)社内活性化と社外ファン増加へ

大鵬薬品工業 ストラテジックコミュニケーション室長・柴田幸恵氏

日本工業新聞社の経済情報紙「フジサンケイ ビジネスアイ」にて、広報部門のエキスパートに取材をしてご紹介しております。

フジサンケイ ビジネスアイ
コーナー 「広報エキスパート」
取材先 大鵬薬品工業 ストラテジックコミュニケーション室長・柴田幸恵氏
新聞発行日 2020年7月21日(金)掲載

広報のプロに広報戦略を聞く。広報エキスパート

【プロフィル】
柴田幸恵氏(しばた・ゆきえ)
1994年青山学院大国際政治経済卒、大塚製薬入社。広島支店、海外本部(大阪)、2001年東京本社海外企画部。社長室、大塚ホールディングスIR部などを経て、13年大鵬薬品工業出向(14年転籍)。広報室、17年広報室長、19年から現職。


─広報の部署名が変わりました
 昨年、広報部門がトップ直轄組織となりました。社長の小林将之は国際経験豊富なアイデアマンで、「これまでの広報とは違う新しい広報に」という考えから、広報室から今の部署名に変わりました(現在は総務・IT担当役員直轄)。広報部門の名称としては珍しいので、記者の皆さんなどから「どういうことを行う部署ですか」という問い合わせを多くいただき、覚えていただく良い機会になりました。


─コロナ禍で働き方が大きく変わりました
 5月の最終金曜日、社長の小林が全社員に向けてビデオメッセージを発信。「ワークライフバランスを実現できる多様な働き方を取り入れながら、全社一丸となって生産性を上げていきましょう」と呼びかけ、リモートワーク推奨を含む新たな働き方の方針を社員に伝えました。コロナ対策の在宅勤務期間を経て、大鵬薬品の働き方が大きく変わりつつあります。製造部門や研究所の社員など業務の性質上毎日出社が必要な社員も多くいますが、リモートワークに適した業務に就く社員は積極的に取り入れながら、生産性の向上に取り組んでいます。今後、サテライトオフィスの設置なども検討します。


─広報部門としての対応は
 コロナで急遽(きゅうきょ)、在宅勤務となった社員が多くいましたので、在宅勤務下でのコミュニケーションの活性化や在宅勤務に役立つ情報発信を意識して行いました。社内ブログを通じて、各支店での勉強会の様子やSDGs(持続可能な開発目標)の取り組みについて共有したり、社内掲示板で在宅勤務を効率的かつ快適に行うコツを発信、またグローバルイントラを通じて、緊急事態宣言下においても医薬品の研究と供給の継続のため厳重な対策のもと出社勤務している研究所や工場の様子について日英中3カ国語で発信したりしました。


─広報体制は
 ストラテジックコミュニケーション室のメンバーは7人。主な業務は国内広報、グローバル広報、CSR活動、ウェブ対応です。製薬会社に対するがん領域の新薬開発への期待は大きく、新薬や開発中の化合物に対する取材申し込みを多くいただきます。当社の取り組みを正確に、また、医薬品の専門的な内容も分かりやすくお伝えできるよう心掛けています。


─ウイルス除去・抗菌スプレー「Efil(エフィル)」が好調です
 大鵬薬品は一般の方には、栄養ドリンク「チオビタ」や、胃腸内服液「ソルマック」のCMなどを通じて身近に感じていただいていますが、実は医療用医薬品が売上高の約90%を占めています。中でも、抗がん剤などがん領域の医薬品が68%を占めています。Efilは一般の方を対象に2年前に発売した製品で、医療用医薬品での長年の経験を生かし、病気や高齢などのために感染に不安を抱えている方の、日常生活や外出に伴う不安を軽減したいという思いから開発、発売。感染対策への関心の高まりもあり、各方面から問い合わせをいただいています。


─SDGsに対する取り組みは
 昨年、クラウドファンディングサービスを手がけるREADYFORが法人向けに開始したSDGsマッチング事業に参画し、「がん領域の課題に挑戦する」プロジェクトを募集しました。採択した7つのプロジェクトすべてがクラウドファンディングで目標金額を達成し、当社はマッチングギフトとして同額の930万円を寄付させていただきました。今後も、がんの治療にとどまらず、がんを取り巻くさまざまな課題を解決しようとする団体、個人、その方々を支援する皆さまの共通の夢が実現しやすくなるようサポートしていきます。


─広報を担当して13年です
 広報の醍醐味(だいごみ)は、社内情報をどういう切り口で、 また内容によってどういう媒体に発信し、それが記事化され、社員が喜び、元気になってくれることです。広報活動を通じて社内を活性化するとともに、社外の皆さまには大鵬薬品を知っていただき、ファンになっていただきたい、それにつきます。



(エフシージー総合研究所 山本ヒロ子  -随時掲載)