(107)環境活動をPRしファンづくり

ユナイテッド航空 アジア・太平洋地区広報統括本部長 永田浩二氏

日本工業新聞社の経済情報紙「フジサンケイ ビジネスアイ」にて、広報部門のエキスパートに取材をしてご紹介しております。

フジサンケイ ビジネスアイ
コーナー 「広報エキスパート」
取材先 ユナイテッド航空 アジア・太平洋地区広報統括本部長 永田浩二氏
新聞発行日 2019年12月13日(金)掲載

広報のプロに広報戦略を聞く。広報エキスパート

【プロフィル】
永田浩二(ながた・こうじ)
 1984年獨協大外国語卒、ノースウエスト航空入社。日本地区広報部長。2001年コンチネンタル航空入社、アジア・太平洋地区広報本部長。11年ユナイテッド航空との対等合併に伴い現職。これまで携わった業務は輸出貨物、機内サービス、予約、旅客営業、マーケティングなど多岐にわたる。


─ユナイテッド航空の現状は
 世界5大陸、358空港に毎日4900便のフライトを運航、昨年は1億5800万人のお客さまを輸送しました。「人々をつなぎ、世界をひとつに」のスローガンの下、全世界で約9万人の社員が働いています。最高経営責任者(CEO)のオスカー・ムニョスは、コンチネンタル航空との対等合併後の2015年、新ユナイテッド社員との信頼関係を構築し、今年から、顧客への思いやりを重視した「コア4」という取り組みをスタートしました。社員が現場で顧客への個々の判断をする際の指標として「安全、思いやり、運航信頼性・安全運航、効率性」を掲げ、CEO自ら各職場を回り全世界で徹底しています。


─アジア・太平洋地区の状況は
 1983年からアジア・太平洋地区への運航を開始し、35年以上になります。現在、15の国・地域に週310便のフライトを運航。太平洋横断路線が週約230便、日本-グアム間などアジア内地区のフライトが週約80便です。来年3月からは、羽田空港から現在のサンフランシスコ路線に加えて、ロサンゼルス、ニューヨーク、シカゴ、ワシントンDCへの4路線を開設します。全て毎日運航します。


─広報体制は
 シカゴ本社の広報部には約60人の広報スタッフがおり、メディア対応、ソーシャル・デジタル、広報戦略企画、映像・画像クリエイティブを担当しています。アジア・太平洋地区は私とアシスタント1人です。統括地域は日本、韓国、中国、香港、台湾、フィリピン、シンガポール、グアム、ミクロネシア諸島、オーストラリア、ニュージーランド、タヒチで、主なマーケットにはリテイナー契約のPR会社を置いており、現地の当社マーケティング部や営業部と連携しながら広報活動を展開しています。


─情報発信で強化していることは
 一つは、16年12月に登場した長距離国際線ビジネスクラス「ユナイテッド・ポラリス」のさらなる浸透です。「快適な機内の睡眠」を徹底的に追求したビジネスクラスで、180度水平になるリクライニングシートには、米高級デパート「サックス・フィフス・アベニュー」とコラボした寝具や、コットン100%のパジャマなども用意。世界的に著名なスターシェフと開発した機内食の提供も行っています。メディアで取り上げていただくためには、記者の皆さんに体験していただくことが一番で、定期的に取材旅行やメディアタイアップ企画を各国で行っています。


─女性機長の講演会も話題になりました
 ユナイテッドには女性パイロットが約900人おり、そのうち300人が機長で、その数はいずれも業界トップです。日本では残念ながら、民間航空の女性パイロット数はまだ限られています。また世界的なパイロット不足という社会的な問題も踏まえ、こうした状況を打破し、日本の女子学生にもパイロットが将来の就職の選択肢になりうることをPRするため、昨年は昭和女子大学で「ボーイング787」と「777」の女性機長が「女性パイロットから見たリーダーシップ」をテーマにお話しさせていただきました。中・高校生、大学生約300人が熱心に両機長の話を聞いていました。この模様はNHK「おはよう日本」でも紹介され、多くの反響がありました。


─来年の課題は
 従来の広報活動にサステナビリティー(持続可能性)活動を加え、ユナイテッド航空が長年にわたりバイオ燃料を積極的に使用するなど、環境保全の分野で業界のリーダー的存在であることを認知いただき、さらに多くの方に当社のファンになっていただきたいと思っています。またソーシャルメディアを活用し、サービスの改善やユナイテッドならではのユニークなストーリーをタイムリーに発信していきたいと考えています。



(エフシージー総合研究所 山本ヒロ子  -随時掲載)