(100)「カワる、サキへ。」合言葉に発信

川崎重工業 理事 コーポレートコミュニケーション部長・鳥居敬氏

日本工業新聞社の経済情報紙「フジサンケイ ビジネスアイ」にて、広報部門のエキスパートに取材をしてご紹介しております。

フジサンケイ ビジネスアイ
コーナー 「広報エキスパート」
取材先 川崎重工業 理事 コーポレートコミュニケーション部長・鳥居敬氏
新聞発行日 2019年9月6日(金)掲載

広報のプロに広報戦略を聞く。広報エキスパート

【プロフィル】
鳥居敬(とりい・たかし)
 1988年埼玉大経済卒、川崎重工業入社。航空宇宙営業本部、広報部を経て2009年総務部長(12年神戸大経営学大学院修了)。13年人事本部人財開発部長。17年から現職。


─創業者の名字が社名になりました
 1896年、創業者の川崎正蔵が「国家社会の発展・繁栄のため」として、株式会社川崎造船所(神戸)を創立(初代社長、松方幸次郎)したのが当社の始まりです。以来、120年以上にわたり事業分野を拡充し、川崎重工グループは現在、鉄道車両、航空宇宙システム、エネルギー・環境プラント、精密機械・ロボット、二輪車などさまざまな領域で技術力を発揮しています。こうした事業活動をベースにグループのミッション「世界の人々の豊かな生活と地球環境の未来に貢献する“Global Kawasaki”」の実現を目指していきます。


─企業メッセージ「カワる、サキへ。Changing forward」が話題になっています
 2016年に金花芳則社長が就任し、創立120周年を迎え、売上高約1兆5000億円、従業員数約3万5000人、連結子会社約90社となりました。次の120年も事業発展していくためには変わっていかなければならない、という想いから、インナーに向けては「自分たちがカワる、サキへ向かって。」という想いと、お客さまや取引先などアウターには「社会がカワる。その一歩サキへ。」という意志を伝えたく、翌17年に企業メッセージを発表しました。


─さまざまなツールで発信しています
 テレビCM「カワる、サキへ。」(ドクターヘリ篇、ロボット篇、ガスタービン/ガスエンジン篇)の展開により、メッセージの浸透を図っています。また、「PESO(ペソ)メディア」にのっとり、ペイドメディアでは新聞、ウェブ広告や、スポンサーをしているJ1リーグサッカークラブ「ヴィッセル神戸」の活動などを通じて、アーンドメディアではニュースリリースの配信や取材対応などを通じて、シェアドメディアではユーチューブやフェイスブックなどを通じて、オウンドメディアでは当社ウェブサイㇳ、PR誌「Kawasaki News」(和文)や「Scope」(英文)の発行などを通じて、当社グルーブの取り組みと製品の社会的意義を発信しています。


─グループ社員への発信は
 インナーへの情報発信は、タテ(経営層と社員)、ヨコ(同期、同僚、職場内)、全社的(一体感づくり)の3つのコミュニケーションを方針として、グループ報(月刊)の発行や、海外向けのグループ報(英語、中国語、PDF)を通じて情報共有しています。イントラネットも重要な発信ツールの一つです。


─広報体制は
 コーポレートコミュニケーション部のメンバーは総勢19人。パブリシティ(東京6人)、ブランド推進(東京5人)、プロモーション(神戸7人)の3課で構成しています。神戸メリケンパークにある神戸海洋博物館内の企業ミュージアム「カワサキワールド」の運営も当部が担当しています。科学技術を楽しみながら学ぶことができ、船のかたちをした「モノづくりシアター」では、船、新幹線、飛行機がどう製造されているのかを紹介しています。国内だけでなく世界から年間約22万人が訪れ、次代を担う子供たちをはじめ、幅広い人たちに当社グルーブの事業、製品の社会的意義を少しでも理解していただけたらと願っています。


─危機管理について
 昨年、新幹線車両の台車枠の製造不備により、世間の皆さまにご心配とご迷惑をおかけしました。昨年9月、全社品質管理委員会でまとめた原因究明結果と再発防止策を、社長記者会見で説明しました。危機対応はないことが望ましいのですが、仮に何か発生した時には、トップと連携して、スピーディーに真摯(しんし)な姿勢で臨みたいと思っています。



(エフシージー総合研究所 山本ヒロ子  -随時掲載)