(94)誠実、正確、スピー感を持って

カゴメ 経営企画室広報グループ部長 鶴田秀朗氏

日本工業新聞社の経済情報紙「フジサンケイ ビジネスアイ」にて、広報部門のエキスパートに取材をしてご紹介しております。

フジサンケイ ビジネスアイ
コーナー 「広報エキスパート」
取材先 カゴメ 経営企画室広報グループ部長 鶴田秀朗氏
新聞発行日 2019年5月31日(金)掲載

広報のプロに広報戦略を聞く。広報エキスパート

【プロフィル】
鶴田秀朗(つるた・ひであき)
 1991年長崎大経済卒、カゴメ入社。九州支店配属。その後、東京本社マーケティング部、広域営業部、企画部、広告部、東京支社などを経て、2016年から現職。


─長期ビジョンとして「トマトの会社から、野菜の会社に。」を掲げています
 2015年に、10年後のカゴメのありたい姿を「食を通じて社会課題の解決に取組み、持続的に成長できる強い企業」としました。これを具体的な事業イメージとして表現したのが、「トマトの会社から、野菜の会社に。」です。現在、日本人の1日の野菜摂取量は288グラムです。350グラムの目標値に約60グラム不足しています。カゴメは「野菜寿命の延伸」という社会課題の解決のために、野菜摂取量の拡大を図るべく、トマトをはじめさまざまな野菜を多様な商品形態、メニューで提供していきたいと思っています。


─農業振興、地域創生活動にも積極的です
 日本の農業の発展が、地域の活性化につながると考え、日本各地の魅力ある農産品をカゴメブランドの商品として全国にお届けする「地産全消」活動を展開しています。その核となる商品「野菜生活100季節限定シリーズ」は、「瀬戸内柑橘ミックス」「信州白桃ミックス」「デコポンミックス」など、年間十数アイテムを順次発売しています。また全国の自治体などと協定を組み、各地の特産品を活かしたメニューの提案などにより、野菜の摂取量拡大や塩分摂取抑制に一緒になって取り組んでいます。


─「カゴメ生活ファーム富士見」をオープンしました
 この4月、野菜の収穫や調理が体験でき、旬の食材を使った料理も味わえる“野菜のテーマパーク”として、長野県諏訪郡富士見町にオープンしました。隣接の富士見工場でも野菜飲料の製造工程の見学ができ、野菜の栽培風景などを再現したジオラマやプロジェクションマッピングによる映像で、ジュースができるまでを紹介しています。報道関係者向けの内覧会とオープニングレセプションには、東京や地元の新聞、テレビ局から多くの記者、カメラマンに来ていただき、ニュースや紙面で大きく紹介されました。


─広報体制は
 広報グループは、メディア対応が3人、社内報の制作担当が2人、私を入れて6人体制です。社内報は冊子「KAGOME通信」と映像「カゴメ通信 The movie」の2つを共通のテーマにした特集記事をメインに制作しています。例えば自分たちに足りないものを考えた特集「カゴメを変える、私たちを変える」や、ダイバーシティをテーマにした特集「働き方・生き方をデザインする」など、読み手に気づきを与え、自発的な行動を促すような編集を心掛けています。


─創業120周年を迎えました
 当社では創業者の蟹江一太郎が、日本に馴染みのなかった西洋野菜トマトの栽培に挑戦し、その発芽を見た年の春を創業としています。120周年記念施策として、寺田直行社長の発案により、カゴメグループの役員、従業員約2400人がそれぞれの職場で踊るオリジナルダンスムービー「進めカゴメ」を制作しました。未来に向かって成長していくカゴメの姿を表現しています。歌詞は、「カゴメの好きなところ」「どんな会社にしたいか」などについて社員の声を集め、それを基に作詞しました。アップテンポな曲で、ダンスに消極的だった社員も楽しんでレッスンに参加するようになりました。ダンスを通じて従業員の気持ちが一つになり、会社の一体感が高まりました。


─日頃心掛けていることは
 情報は包み隠さず提供することです。広報で大切なことは3つのS、「誠実に」「正確に」「スピード感を持って」につきます。部下に、そして私自身にも言い聞かせ今後も対応していきます。



(エフシージー総合研究所 山本ヒロ子  -随時掲載)